第225話 クリスマス大宴会 その十二

「さて。残すところプレゼントもあと二つとなりました。残り物には福があるとは言いますが、実際のところはどうなのか。楽しみですねー」

「……司会としては普通の台詞でも、ボタン君が言ってるとなると無駄に不穏なんスよねぇ」

「うぅ……! せめてここでは勝ちたい! 余り物は絶対ヤダ!」


:草

:もう残り二つか

:草

:長いようで短かった

:謎の含みを感じるんだよなぁ

:終わらないで

:草

:草

:残りは何なんだ?

:はにゃびが切実やのぉ

:山主さんの台詞が無駄に怖い

:まだネタ枠はあるのだろうか

:草

:草


 最後に残っているのは雷火さんと吹雪先輩。そしてプレゼントの方は、六番と七番。大きめの箱と小さい箱。

 まずじゃんけんにどちらが勝つのか。そしてガラポンを回し、どちらの番号を手繰り寄せるのか。プレゼントの内容を知っている立場としては、実に楽しみだ。


「では! 泣いても笑ってもコレがラスト! 最後のじゃんけんを行いたいと思います! さあ、お二人とも手を上げてください!」

「よっしゃいくぞー!!」

「まあ、クジの過程が入る時点で勝ったところでなんスけどね」

「身も蓋もないこと言わんでください」


 個人的には吹雪先輩の意見に同意なんですけど、一応コレってエンタメなんで。様式美ってやつがありましてね?


「んじゃ、いきますよー。はい、じゃーんけーん」


 俺、グー。パー、なし。


「……まあ、二人だと仕方ないか。ではもう一度。じゃーんけーん」


 俺、チョキ。グー、なし。


「「……」」

「次、いきまーす。じゃーんけーん」


 俺、チョキ。グー、なし。


「……じゃーんけーん」


 俺、チョキ。グー、なし。


「わざとやってます?」

「ゴメンだけどマジでやってる」

「あ、あれー……?」


:草

:草

:草

:草

:草

:草

:草

:草

:草

:草

:草


 四連続で勝者なしってうせやろ? そんなことある? 二人でやってるにしても限度ってもんがあるだろ。こんなところで妙な奇跡を発生させんでください。観客モードに入った先輩たちが酒片手に爆笑してるんですよ。


「もう面倒なんで、二人でチャチャッとじゃんけんしてくれません?」

「そこで投げやりになられるのすっごい嫌なんスけど!!」

「待ってもう一回! もう一回だけチャンスちょうだい!!」

「……仕方ないなぁ。じゃあ、手を出して。はい、じゃーんけーん」


 俺、チョキ。グー、なし。


「はよ二人でじゃんけんしてください」

「よっしゃ負けないッスよハナビちゃん!」

「ここは勝たせてもらいますよ氷雨先輩!」


 そんなわけで、やけくそじゃんけん開幕。この人らホンマ……。


「──よっしゃ勝ったぁぁ!!」

「負けたぁぁぁ!?」


 はい吹雪先輩ねー。じゃあさっさとガラポン回してくださいね。


「どうぞ」

「全面的にこっちが悪いのは分かるんスけど、ちょっと対応塩くないッスか!?」

「はーやーくー」

「ええい回しますよ回せばいいんでしょ!?」


 はいガラガラガラー。番号は……六番! 六番お願いしまーす!


「大きい方ですね。で、雷火さんは自動的に七番と」

「ぐぬぬっ! 私もガラポン回したかったぁ!!」

「負けたのが悪い」


 勝ってたら回せたのにね。てか、俺とのじゃんけんの時点で勝者が出てほしかったデス。


「で、六番のプレゼントの方ですが……」

「ちょうど中身の箱が見えてきて……なんスかアレ? ベルト?」

「惜しい! 正解は、肩に掛けるタイプの高周波マッサージ機でございます!」

「高周波マッサージ機!?」


 はい。


「知り合いのオッサンに訊いたら、オススメされたやつでして。めっちゃ効くそうです」

「知り合いのオッサンて……。なんか絶妙に信用できないライン出すのやめてもらっていいッスか?」

「デスクワークに忙殺されてる偉いオッサンなんで、多分そのへんの感覚は信用して大丈夫です。常日頃から高っけぇ道具使って、身体のメンテをしているはずなんで」

「ふわっふわの説得やめろッス」


 ふわっふわか? ……ふわふわか。


「まあ、わりと良いお値段するやつなんで。最低限の効能はあるんじゃねぇかなと」

「ちなみにおいくらなんスか?」

「オプション機材込みで大体五万」

「たっか!?」


 高っけぇんですよそれ。


「はぇぇ……。五万のマッサージ機ッスか。効果が楽しみなような、高すぎて申し訳ないような……」

「細かいところは気にしないでいただけると。一般論として高いとは言ってますけど、俺からすれば端金なんで」

「富豪の台詞ッスねぇ……。というか、ボタン君この企画で総額いくら使ったんスか?」

「数えてねぇです」

「お金関係はもうちょいしっかりした方が良いと思うッスよ……?」


:草

:草

:それは本当にそう

:山主さん……

:草

:草

:草

:ざっくり三十万ぐらい使ってんだよなぁ

:富豪はこれだから……

:草

:推定資産が兆とかだからしゃーない

:草


 だって出ていくお金より、入ってくるお金の方が圧倒的に多いんだもん……。金銭管理については専門家に丸投げしてるというか、しなきゃどうにもできないレベルなので。必然的に俺の方はルーズになるといいますか。


「ま、それはさておき。次行きましょうか」

「都合悪くなって逃げたッスね……。別に良いんスけど。とりあえず、ありがとうッス。愛用させていただくッス」

「あーっす」


 ということで、最後。雷火さんの番でございます。


「大トリですよ雷火さん。いまのお気持ちは?」

「……正直に言って良い?」

「どうぞ」

「最後のプレゼント、ネタ枠な気がする」


 ほう?


「その心は?」

「ボタンがネタ枠を一つしか用意してないとは思えないから」

「メタ読みがすぎる」


 からすみ一点突破の可能性もあるかもしれないじゃん。実際、それぐらいオチとしては強いと思うんですよ。クリスマスプレゼントのからすみって。


「ちなみに雷火さん」

「はい」

「正解です」

「知ってたよこんちくしょう!! というか認めるんだね!?」

「だって確信してたじゃん」


 あといまの台詞がクリティカルすぎたよね。スタジオはもちろん、コメント欄からも『あー……』みたいな空気が発生してたし。

 ならもう、潔く認めた方がネタ的にはクドくないかなって。


「じゃあせっかくだから、最後は雷火さん自身がプレゼントを開封して〆にしようか」

「え、画面に映さなくて良いの?」

「後回しで良いでしょ。あとぶっちゃけ、口で説明できるプレゼントだし」

「有名なやつなの……?」


 クッソ有名なやつですねぇ。


「じゃあスタッフさん、七番のプレゼントを……ラッピングちょっと剥いちゃってる? あ、大丈夫です大丈夫です。外の箱だけじゃ分からないタイプなんで」

「パッケージで分からないの? 本当にどんなプレゼントなんだろ……」

「実は中の箱と周りのラッピング、自前です」

「そうなの!? 何で!?」

「箱もラッピングも付いてこないタイプの商品だったから……」


 悪戦苦闘しながらも、なんとか自力でカモフラージュしました。


「というわけで、どうぞ」

「う、うん。……せーので開けた方が良い?」

「お好きに」

「じゃ、じゃあ──せーの! ……何これ?」

「年末ドリーム。十万円分。正確にはバラの十万二千円分」

「は?」

「つまり宝くじ。年末の確認配信待ってるZE☆」

「……はぁぁぁぁぁぁぁ!?」


:草

:草

:草

:草

:草

:草

:草

:草

:草

:草

:草

:草


 ちゃんと銀座の『日本一当たる』って有名な売り場で買ってきたから。目指せ億万長者!













ーーー

あとがき


これでエピローグいって終わりかな……? 長かったわマジで。



あ、明日……てか今日のお昼はコミカライズ版のおっかけ更新がありますので。カドコミとニコニコ漫画をチェックです。


あと三巻買ってね。

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