第83話
「エルバ、森の奥で見つけたぞ!」
「これで、乳が手に入ります」
二人はアウドラムを見つけて興奮している。
私もあまりの、アウドラムの大きさに驚いていた。
昨夜、サタ様に聞いていた大きさよりも見た目は小さいが、見上げないと見れない位の大きさだ。
「アウドラム、お前の乳を貰うぞ」
「さぁ、バターという物を作りましょう!」
と、喜ぶサタ様とアール君の後ろに、さらに大きなアウドラムと小さなアウドラムが三匹見えた。サタ様とアール君が乗ってきたアウドラムがメスだとしたら……
「サタ様とアール君の後に、オスのアウドラムと子供のがいます」
「何? オスと子供だと」
「本当です、オスと子供のアウドラム」
番のアウドラムのメスを連れて帰って来たサタ様達は、メスを追って来た、キズだらけのアウドラムと見合っていだが。
なんと……
ウモォォォオオオオ――!!
「まさか、お前は群れのボスだった……あのアウドラムなのか?」
サタ様は突撃してきた、オスのアウドラムをガッチリ抱きしめた。
「なんて、感動的な再会なんです」
「そうみたい、今……襲ってきてのこともおった……」
感動的な再会の後――アウドラム達とサタ様が何か話し合いを始め、二人でコクコク頷き合っている。その様子を見ながらアール君と、シュワシュワのレンモン風味をアール君専用の椅子と、私の椅子を出して寛ぎながら飲んでいた。
サタ様は、アウドラム達との話が終わったのか。
「ワタシたちに、乳をくれる代わりに彼らは住む場所が欲しいと言われた。子供を守りながら、冒険者と戦うのがキツくなったと言っている。安心して子育てがしたいと言っている」
「安心した子育て、住む場所ですか?」
「この子達の住む場所かぁ……だったら、パパとママに聞いてみるよ」
フクロウを呼んで、パパとママに手紙を書いた。
返事は明日になるだろう。
「さてと、どうする? ご飯にしちゃう?」
そろそろお昼時だ。
「腹が減ったな飯にするか。その前にコイツの傷を治したいから、傷薬を作って欲しい」
オスのアウドラムの傷を治したいとサタ様が言った。
「よし分かった、キリ草を調合して傷薬作るね」
私はエルバの畑からキリ草を採取して畑の上にある、ボロ小屋をタップした。すると、前はボロボロだった調合壺のヒビがなくなり、普通の壺になっている。
「解毒草を作ってレベルが上がったから、壺が綺麗になってる⁉︎」
「本当です」
「本当だな」
〈エルバ様は、今日は何を調合するのかなぁ~?〉
明るい博士に傷薬を作ると伝えた。
〈傷薬ですか~。キリ草と魔法水を壺に入れれば傷薬の完成!!〉
今回は簡単な調合だからか、クイズ形式じゃないんだ。
私はサタ様とアール君に見られながら、傷薬を作るためにキリ草と魔法水を壺に入れ振ろうとしたが。
すぐにポンとガラス性の容器に入った、傷薬が出来上がった。
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