第2話 閑話休題(よこみちへそれました)
<引用始め>
外交部「EUは協力が競争を遥かに上回る中国EU関係を客観的・理性的に受け止めるべき」
人民網日本語版 2022年11月09日15:32
http://j.people.com.cn/n3/2022/1109/c94474-10169285.html
外交部(外務省)の趙立堅報道官は8日の定例記者会見で、ボレルEU外務・安全保障政策上級代表による先日の中国関連発言に関する質問に対し、「中国とEUとの間には競争があるが、協力が競争を遥かに上回る。EUが双方の関係を客観的かつ理性的に受け止めることを希望する」と述べた。
趙報道官は「近年、中国とEUの貿易額は過去最高を更新し続け、双方は国際・地域問題について意思疎通と調整を継続している。双方間に広範な共通利益、長年積み重ねてきた協力基盤、そして高度な相互補完性という発展における強みがあることは、事実が証明している。中国とEUとの間には競争があるが、協力が競争を遥かに上回る。双方間のいくつかの競争は良性のものであり、各々の発展の加速に寄与する」と指摘。
「我々はEU側が中国とEUの関係を客観的かつ理性的に受け止め、中国側と共に、双方間の対話と協力という主導的側面をしっかりと把握し、互恵・ウィンウィンという主たる基調をしっかりと維持し、世界的な課題に協力して対処し、混迷する世界により多くの安定性とプラスのエネルギーを与えることを希望する。これは中国とEUの双方にとってプラスであり、世界全体にとってもプラスだ」と述べた。
さらに「中国は人々中心の人権理念を堅持し、人々全体の政治・経済・社会・文化・環境などに関する権利の調和ある増進を図っている。世界中どこでも適用できる人権発展の道はなく、人権保障にベストはなく、ベターがあるのみだ。中国は人権面で他国に偉そうに指図する「教師」の指導を受け入れない。人権問題の政治化とダブルスタンダードに反対し、人権問題を利用して他国内政への干渉に反対する。EUは自らを省みて自問すべきであり、懐中電灯を持って他人だけを照らし、自らは照らし出さないというようなことをすべきではない」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年11月9日
<中国的なる広報・報道>
◎ 話が論理的で筋が通って(流れができて)いる。
◎ さまざまな視点とフェイズによって物事・事象を把握することで、より 正確・立体的・、そして深く事象を理解することができる。
これこそ「広報」の真の役割といえるでしょう。
「事実を正しく伝える」とは、専門家だけでなく素人にもわかるように、自国民のみならず全世界の人にも理解できるように(普遍性を持つ情報として)伝えることですが、中国の広報には、単に表層的な事実のみならず、その事実を事実たらしめる内面的な実相を見る(知る)ための「入り口」も用意されている点に特長がある。
まさに、中華料理のフルコース( 满汉全席)を提供されているかのようです。
<序言・概括>
外交部(外務省)の趙立堅報道官は8日の定例記者会見で、ボレルEU外務・安全保障政策上級代表による先日の中国関連発言に関する質問に対し、「中国とEUとの間には競争があるが、協力が競争を遥かに上回る。EUが双方の関係を客観的かつ理性的に受け止めることを希望する」と述べた。
→ この部分は、人民網日本語版の編集者が、本件についての概要を簡潔にまとめ、序文として提示することによって、本論への方向・心構えを示唆する準備となっている。云わば、前菜です。(平栗雅人)。
① 事実を見るという基点
趙報道官は「近年、中国とEUの貿易額は過去最高を更新し続け、双方は国際・地域問題について意思疎通と調整を継続している。双方間に広範な共通利益、長年積み重ねてきた協力基盤、そして高度な相互補完性という発展における強みがあることは、事実が証明している。中国とEUとの間には競争があるが、協力が競争を遥かに上回る。双方間のいくつかの競争は良性のものであり、各々の発展の加速に寄与する」と指摘。
② 対EUとの関係という視点
「我々はEU側が中国とEUの関係を客観的かつ理性的に受け止め、中国側と共に、双方間の対話と協力という主導的側面をしっかりと把握し、互恵・ウィンウィンという主たる基調をしっかりと維持し、世界的な課題に協力して対処し、混迷する世界により多くの安定性とプラスのエネルギーを与えることを希望する。これは中国とEUの双方にとってプラスであり、世界全体にとってもプラスだ」と述べた。
③ EU以外の世界という観点
さらに「中国は人々中心の人権理念を堅持し、人々全体の政治・経済・社会・文化・環境などに関する権利の調和ある増進を図っている。世界中どこでも適用できる人権発展の道はなく、人権保障にベストはなく、ベターがあるのみだ。中国は人権面で他国に偉そうに指図する「教師」の指導を受け入れない。人権問題の政治化とダブルスタンダードに反対し、人権問題を利用して他国内政への干渉に反対する。EUは自らを省みて自問すべきであり、懐中電灯を持って他人だけを照らし、自らは照らし出さないというようなことをすべきではない」とした。(編集NA)
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点から線、線から面、そして全体を通して立体的な視点で(中国側から見た)「中国とEUとの関係」を浮き彫りにするだけでなく、中国と世界という観点に立つ「中国のあり方」をも明確にし、とりもなおさず、それは中国という国の視野の広さと奥の深さを暗示するに至る。
広報官の弁説そのものが政治になっている、という奥深さに驚かされます(平栗雅人)。
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