リンの異世界満喫ライフ

水月

第1話 プロローグ

私の名前は秋津鈴(すず)、独身。


もうすぐ37歳になるアラサー世代だ。

少し前なら所謂「負け組」と言われる立場だろう。

個人的には「勝ち組」「負け組」なにそれ美味しいの?って感想しかないけど。


だって、勝ったか負けたかなんて他人に決められる事じゃないし、そもそも人生に勝ち負けなんて決める必要性を感じない。


自分が幸せだと思えばそれでいいじゃない?


例えそれが小さな会社で事務員として働いて、稼いだお金で趣味の旅行やオタク活動に勤しんでいたとしても。


私は十分幸せだった。


それでも最近では結婚を考えた事も実はあった。

あったが破談になった。


結婚式を1ヶ月後に控えた頃に、友人だと思っていた女に彼氏を寝取られたのだ。


当然結婚式は中止で、即、彼氏とは別れた。


友人の彼氏を寝取る女も女だけど、彼も大概だったからだ。言い訳が。


彼氏に未練はないけど当然腹は立つ。


だからやけ酒の為にコンビニにお酒を買いに出掛け、何種類かのチューハイやカクテルを買って外に出た処で......



「......ここ、どこよ?」


気がつけば辺り一面青々と生い茂る緑に囲まれた、所謂森らしき場所に寝転がって居たのだった。

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