盲目
それは虎児かはわからない
蛸壺なのかもわからない
目開いた瞳孔のように
この黒々とした場所
そこなう冷たき無機質は
肌を引掛け
ささくれる
でも。いつしか、それにも慣れる
――せんないな心の移ろい
頬をよせうざらつきの
その愛しさは勝う
ここは虎児かはわからない
蛸壺なのかもわからない
垂衣にまどろむように
この黒々とした場所
ひと温みをかえすざらつきは
荒寥に息吹き
抱かれる
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