第3話 「特殊な授業」
運命的な出会いをしてから数カ月たった今日。
あの後、少し教えてもらったことで分かったことがいくつかあった。
まず、あの人は私と同じ年齢で○○高校に通っているということ。
卒業後は大学へ進学予定で、なんと私も同じ大学へ行く予定だからまた会える可能性があるみたい。
今から少し心が躍る。
機嫌よく朝食を食べてると、LAINでのメッセージが届いた。
ペド野郎:
相手は少し前に偶然見つけた
何故か仲間認定を食らった挙句に崇拝されるという変な状況になったけど、自分に害がなければまぁ問題ないだろうと思いたまに連絡を取っている。
まぁ、いつも向こうからの連絡だけど
画面を見ながら今日は別に何も予定はないし、いいかなと思い返事を打ち込む。
百鬼:別にいいけど…要件は?
ペド野郎:私の娘に、私どもの趣味の素晴らしさや多様性があるということを教えてやってほしいのです。
なぜ自分がこの変態の娘に会わねばならないのか。
話しをしてほしいという内容から、いつの間にか授業のようなものに変わっていき面倒なのでやっぱり断ろうとした時
ペド野郎:謝礼もしっかり受け取ってくださると幸いです。
お金は大事だよね。
大金につられてうっかりOKしてしまった。
◇
東京都内にある一つのビル。
13時ちょうどにその中へ行くと、受付でそいつは待ってた。
「百鬼様っ、本日はお越しいただきありがとうございます!」
こちらに気づくなりさっと近くへ来ると挨拶してすぐエレベーターへ促される。
そういえばこいつ社長だったね。
秘書らしき人と三人で中に乗り込み最上階へ。
エレベーターが止まり扉が開くと、そこは玄関になってた。
「ここは私のプライベート空間でして、中に娘もおります。ささっ、靴のままで大丈夫ですのでそのまま中へどうぞ」
案内され入った先はリビングのような空間で、中では椅子に座り紅茶を飲みながらティータイムを楽しむ女の子がおり目が合う。
「あっ!お客様?嫌だわ恥ずかしい…」
チラチラとこちらを伺う子は、どう見ても地雷系だ。
よく見るホストにドハマりしてるような子。
今だけは死んだ私の表情筋に感謝。
「お初にお目にかかります。
『百鬼です。今日は学びたいことがあると聞いて伺いました』
何故か姫乃の隣に座らされそこにお茶も出されてしまったので、仕方なく話を再開。
「お父様達の趣味の中身を一から教えてほしくて、どうしてもとおねだりしてしまったんです」
そこで何故自分なのか…
一気にめんどくさくなったが、何せ報酬のため。
話しで時間を引き延ばして適当な所でお暇しよう。
『そっか、じゃぁ始めるよ。
今の聞いた話を詳しく話すとね、皆が聞き慣れた言葉だと〈マゾ〉〈サド〉とかの言葉があるでしょ?
あれらは一般的な言葉では
性に関する行動では
パラフィリアの用語の末尾に使用されるのは三つほどあって、「~フィリア」は「~愛、~性愛」
「~ラグニア」は「~欲求、~願望」。「~イズム」は「~主義、崇拝」という意味ね。
で、性的倒錯は大きく二つに分かれるんだけど、「
性目標倒錯は最終目標が性交じゃなくて、何らかの
んー、そうだなぁ…たとえば
殺人や殺害行為への
もう一つの性対象倒錯は最終目標は性交なんだけど、その相手や行為の対象、状況に嗜好や症状が認められるもので、さらに細かく「人物、年齢、物体、状況」などに区分されてんだけど、ここまではどう?』
近くにあった紙とペンを勝手に使い、書き込みつつ説明していたが反応がないので分かりづらかったかな?
と、顔を上げると、
「…とっても分かりやすかったです。すてき…」
うっとりと恍惚とした表情でこっちを見てた。
頼むから話の内容にうっとりしてると言ってくれ…
ときめく場面なんか無いだろうと内心呆れながら説明を続けても大丈夫だと判断した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます