クラフトの素材が意外ときついかも
無人機は飛んでったときと同じように音もなく地上に降りたって帰ってきた。
住人が居なくなったエルフの家を格納庫代わりにして無人機をしまった後、俺は考えをめぐらした。
それは、今一番何をしなければいけないかだ。
ミサイルの素材には電子部品、つまり俺のようなロボットとか家電製品、この時代の人間が作れないものが必要だ。
ミニガンやサブマシンガンの弾は単純な鉄製品でもいいみたいだが、問題はその鉄もいまのところ有限っぽい。
エルフたちは鉄製品を作っている様子が無い。鉱石を溶かす炉も無ければ鍛冶場も村にはなかったのだ。
つまりこれはどういうことを意味するか、俺がミサイルを撃つにはあるかどうかもわからない昔の廃墟を漁って電化製品を手に入れなければいけないし、銃を撃ち続けるには人間が滅んでは困る、という事だ。
ドワーフならファンタジーの定石からいって色々な金属を作ってるかもしれないが、今は彼らがどこにいるかわからない。
つまり現状、補給をするには気を付けて甲冑付きの兵士を狙ってパクパクしていかないといけないってことだ。
余裕ぶっこいてたけど、結構ヤバくね?クラフトの素材入手がハードモードすぎる
ゲームだと大体一番使うものって無限に手に入るサイクルが辺りするけど、現実はそうはいかない。ミサイルが作れるようになるためには電化製品が必要だ。
とてもエルフが中世の生活から現代の生活まで発展するのをまってはいられない。2000年くらいかかるわ!
なら、今のうちに手に入れられるものはさっさと集めた方がよさそうだな。
テミスで焼き討ちした砦、結構な数の兵士が詰めていそうだった。あそこからまず漁ろう。
とはいっても空から見ただけで、道はさっぱりわからん。ここはミリアに聞くとするか。
体からガッシャガッシャと音を言わせながら村歩いて探し出したミリアさんは、何かトリップしていた。
なんか空から光りが降り注いでるエフェクトと共に天に昇っていくあのフランダースの犬のラストシーンみたいな雰囲気を醸し出している。一体何があったのやら。
ま、まあとりあえず声がけするか。
「ミリア、我が眷属よ、たずねたきことがある」
「ああ……機人様、貴方様に拝跪することこれ至上の悦びにございます」
ああ、これは大分キメてるな。あの非常用食料、なんか幻覚剤成分でも入ってるんだろうな。
ま、しばらくすれば毒も抜けるだろ。
「うむ、この辺りに汝らを悩ませていた人間の砦があろう、そこまで案内せよ」
「はいぃ!!クソゴミムシのヒトブタ共の寝床ですね!もちろん存じ上げております!」
またなんか罵倒が増えてる。まあいいや。
あっそうだ。ミリアの歩く速度にいちいち合わせてたら時間がかかりそうだし、俺の頭の上にでも載せていくか。案内させるならちょっと高い所にいた方が便利だろうし。
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