第420話 天皇の料理番(小説)

 杉森久英さんの小説です。

 映画好きなのにドラマは見ないので知りませんでしたが、過去3回ドラマ化されているそうです。

 片田舎の少年が、フランスに単身修行に行ったり体当たりで学びながら、若くして天皇の料理番と言われる皇居の料理長に上り詰めるお話です。


 これは時系列に従って子供時代からエピソードが描かれていますが、時代背景は『明治→大正→昭和』でしょうか。

 ちょっといいところの坊ちゃんで、家督を継ぐ長男ではなく自分の欲求に素直な主人公が、坊主になったり(袈裟姿が格好良かった)、クビになったり、商家の養子に行ったりしながら、カツレツに魅せられて、料理に目覚めて……

 と、すごくリアルな背景が楽しいんです。

 彼の背景に流れる時代と、結構無茶苦茶な熱い主人公とが面白い名作です。

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