「強者」はみずから可能性を放棄する

まどろっこしいご高説は結構だ

「仕方がないから諦めろ」と言えばいい

そして自分が無能だって認めなよ

どうせ何にもできないんだから


愚かな者ほど自分を賢いと思うものだ

そもそも愚かさをそれほど困ってないから

むしろそれで得することの方が多いから


強い弱者・弱い強者はある意味当たっている

強者は自らを“強者”の枠に閉じ込め

あらゆる可能性や選択肢を放棄しているから


男は仕事、女は家事

強者はそれを疑問に思わない

なぜならそれで困ってないから

故にその他の可能性を考えない


「優しさだけじゃ解決できない」

「感情論は意味がない」

なるほど

しかし、あなたは自分が優しくない人間であることは認めるね


もしも何かを変えることで

今より素晴らしい未来を導くとしても

現状に満足している者にその作業は“面倒臭い”

それが強者の限界だ


たとえそれで自分や周囲の人々が

今より幸福になるかもしれなくとも

それを考える余裕が強者にはない


社会的弱者が弱者なのではない

現状に甘んじ迎合する者が強者となり

問題に正面から向き合う者が弱者となる

なぜならその度に傷つくから


強者は危うきに近寄らなくても敵が見えるが

弱者は危うきに近寄らなければ敵が見えないから


擁護と膏薬はどこへでもつく

結局は自分の利益が最優先

ていうかもう今さら引っ込みつかないし

謝罪なんかやったら負けだ


あらゆる可能性を放棄したとき

人は与えられただけの自由の中で

未来を想うことをやめてしまう


強い弱者・弱い強者はある意味当たっている

強者は自らを“強者”の枠に閉じ込め

あらゆる可能性や選択肢を放棄しているから


経営者が馬鹿ならいずれ会社は潰れる

内部告発、社員の質の低下、雇うにも経費がかかる

「強者」は自ら可能性を放棄する


そしていつか––––

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