第2話 パート1

 しろやぎさんからくろやぎさんへ手紙が来た。

 手紙なので裏を返せばすぐに読める。

 だがきっと

「元気とか天気がいい」

 としか書いていないはずだ。

 読む必要はない。

 くろやぎさんはすぐに食し、返信を書いた。

 読まれはしないだろうけれど。


 くろやぎさんからしろやぎさんへ手紙が来た。

 手紙なので裏を返せばすぐに読める。

 だがきっと

「元気とか天気がいい」

 としか書いていないはずだ。

 読む必要はない。

 しろやぎさんはすぐに食した。


 放牧の時間。

 黒と白の二匹のやぎは草原に1本ある大木の下で落ち合った。

 他のやぎたちはやわらかい草をもとめて他の場所に行っている。


「こうゆうのを人間界では不倫って言うらしい」

「そうらしいわね…でもちゃんと証拠は隠滅したの…?」

「ああ…、ミントの香りがついていておいしかったよ」

「そう、あなたのはバニラの香りだったわね」

「また手紙を出してくれないか…、そのあとの最初の放牧で、この場所で…」

「そうね、またそうしましょう」



*****

 う~ん、これでは

「しかたがないのでおてがみかいた」

 の理由が成り立たないです。

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