ざらつく心 お金があれば!良い空間
生まれて初めてのクラブに、
俺も竹も舞いあがるだけ舞い上がった。
ガラガラといいながら、どこぞの社長さんみたいな雰囲気の客や、あれはどう見ても堅気ではない!ような方々が景気よく飲んでいる。こんな若造に女の子が三人も付いているなんて場違い極まりなくて少々居たたまれない気がしてきた。
「お疲れ様です」
一瞬空気が固まった。
「はい、お疲れ様」
八代が小声で説明する
「あれが……社長だよ。オーナーのこれ」
そう言って親指を立てる。
俺は思いっ切りガン見してしまった。
オーナーが傍に行き、チラチラこちらを見ながら何やら説明している。うんうんと にこやかに頷く社長。
オーナーが社長を連れて俺たちのテーブルにやって来た。
「いらっしゃい。八代君この間は有難う。今日はお友達も誘ってきてくれて感謝するよ。弓さん、佳子さんサービスしてあげてくだいね」
「はい!任せてください社長」
可愛いなぁハモってる。
「いらっしゃっませ!」
その声に反応した社長が入り口を見ると、支配人が足早に近寄ってきた。
「社長……いらっしゃいました。奥の部屋にお通ししておりますが」
「有難う。今行くから。美咲さんと雪さんつけて。オーナーは先に……」
オーナーは、俺の隣にいた女の子に目配せして、社長の言葉を待たずに奥へと消えていった。
「あっ、華さん申し訳ないけど、あちらに。悪いね八代君。後は好きなように頼んでくれて構わないから。山村、こちらのテーブルにあれお持ちして。じゃぁゆっくりして行ってください。弓さん佳子さんそれじゃ宜しくお願いします」
そう言うと、社長と華さんは奥へと消えていった。
「ふ~緊張したよ~でも格好良いよな」
「うん、品があるよな。ナイスミドル!」
「でしょ! オーナーがぞっこんになるの判るわ~」
またもや弓さん佳子さんがハモる。山村と呼ばれていたフロアボーイが次々とオートブル運んで来る。な、何と高級ブランデーもですよ。
「良いのかよ……こんなにして貰って」
「そうだよ、ただ賑やかしに来ただけなのにさ」
「いいの~社長が良いって言ってるんだから」
それからは弓さんと佳子さんが盛り上げてくれて、俺たちのクラブ初夜はめでたく、いかした夜になったのである。
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