智姉さんのクルマ解説
GMシボレー・コルベットC4 CY15B
(スペックは94年式 5.4 ZR-1を参考)
【製造期間】1983年~1996年
【生産国】アメリカ合衆国・ケンタッキー州ボーリンググリーン
【先代車】C3コルベット
【後継車】CY25B型C5コルベット
【名前の由来】フランス語で「小型の戦艦」
【当時の新車価格】721万円
【別名】なし
【全長】4.535mm
【全幅】1,856mm
【全高】1,177mm
【ホイールベース】2.440mm
【定員】2名
【ボディタイプ】3ドアクーペ
【車重】1593kg
【駆動方式】FR
【クラス】スポーツカー
【エンジン】シボレー・LT5(5.8リッターV型8気筒OHV)
【最高出力】405馬力
【最大トルク】53.2kg・m
【パワーウエイトレシオ】3.9kg/馬力
【トルクウエイトレシオ】29.9kg/kg・m
【サスペンション】F/ダブルウィッシュボーン、R/5リンク
【変速機】6速
【0-100km加速】4.2秒
【0-400mタイム】12.2秒
【最高速度】290km/h
【作中の搭乗者】彩依里あきら(16歳・無所属→DUSTWAY)
【智姉さんの解説】
通称「C4」
コルベットは1954年にジェネラルモータースのブランド、シボレーによって作られたアメリカ随一のスポーツカーだ。
ただし初代はスペシャリティカーという一面を持っていた。
C4は4代目に当たる。
1983年、43台のテストカーを費やしながら、コルベットはC4へフルモデルチェンジした。
ちなみに作られた43台はクラッシュテストのためにほとんど破壊されたものの、1台のみアメリカ合衆国ケンタッキー州ボーリンググリーンにあるコルベットの工場の隣に作られたコルベット博物館に保管されている。
これまでのコルベットはアメリカ車らしくダイナミックで力強いデザインだったものの、発売当時の世界情勢を意識し、ロングノーズをそのままに大きく盛り上がったフェンダーをなだらかにした全体的に洗練されたヨーロピアン風味となった。
これには開発関係者にヨーロピアンデザインに造詣の深い人物がいたことも影響している。
構造の多くを先代から受け継いだC3型とは対照的に、エンジン以外は全て新規設計とした。
エンジンは前輪車軸後部に搭載するという所謂フロントミッドシップ構造となっており、重量配分は49対51というスポーツ走行にほぼ最適なバランスを実現した。
足回りはフロントは不等長ダブルウイッシュボーン、リアは5リンク式へと進化し、アームには市販車初の軽合金を採用し、バネ下重量の低減を狙っている。
前後とも伝統の横置きリーフスプリングを使用しているものの、それはFRPで作られており、軽量化が徹底されている。
ボディ構造は角断面鋼菅フレームとセミモノコックを組み合わせたユニフレームとなり、旋回性能を上げるためにショートホイールベース化され、前後トレッドを広げて操縦安定性を確保している。
また、洗練されたスタイリングは空力にも十分な配慮がされており、当時の最高基準であるcd値0.34を記録した。
ボディタイプはクーペとタルガトップを用意され、1986年にはC3後期で廃止されたコンバーチブルが復活する。
デビュー当初は、先代がオイルショックでモデルライフ途中にパワーダウンされてしまった影響もあって、205馬力と控えめな数値だった。
しかし足回りがチューニングされ、MT設定のみの硬派なモデルであるZ51が登場。
このモデルの登場で、コルベットのハンドリングの高さを知らしめた。
1989年にはパフォーマンスグレード、ZR-1が登場した。
当時GMの傘下だったロータスによってチューニングが施され、エンジンは標準モデルより100馬力高い375馬力を発生し、マイナーチェンジで405馬力へと上昇した。
ヘッドの大型化を防ぐためにバルブ狭角は22度程度に留められており、ATは設定されずZF製6速MTが採用された。
ブレーキは大径され、タイヤのサイズもアップしている。
これらの高性能振りは、数々の競技で世界記録を打ち立て、「キング・オブ・ヒル」という異名を持った
モデル末期には廃止されたZR-1の代わりにグランドスポーツと呼ばれるモデルが登場した。
ZR-1に比べると控えめだが、最高出力は335馬力にチューニングされている。
雨原のFDみたいに、ブルーのボディにフロントからリアにかけて縦に白いスライブを中央に巻いたデザインが特徴だ。
ZR-1同様マニュアルのみの設定となっている。
日本ではほとんどクーペが輸入されたものの、アメリカにはコンバーチブルが日本以上に存在する。
このグランドスポーツはC4からC5へのバトンタッチを見送ったモデルとなった。
他にも、400km/hの最高速度を持つスレッジハンマーと呼ばれるモデルも存在するぞ。
日産 シルビア S15
(スペックは99年式2.0 スペックRエアロを参考にしている)
【製造期間】1999年1月~2002年11月
【生産国】日本国·福岡県苅田町
【先代車】S14型シルビア、RPS13型180SX
【後継車】なし
【名前の由来】ギリシャ神話に登場する清楚な乙女の名前から、ラテン語で「森」
【当時の新車価格】256万円
【別名】日産・200SX(海外向け)
【全長】4,445mm
【全幅】1,695mm
【全高】1,285mm
【定員】4名
【ボディタイプ】2ドアクーペ
【車重】1240kg
【駆動方式】FR
【クラス】スポーツカー
【エンジン】日産・SR20DET(2.0リッター直列4気筒DOHCシングルターボ)
【最高出力】250馬力
【最大トルク】28.0kg・m
【サスペンション】F/ストラット、R/マルチリンク
【変速機】6速
【パワーウエイトレシオ】4.96kg/ps
【トルクウェイトレシオ】44.2kg/kg・m
【0-100km/h加速】5.6秒
【0-400m】14.0秒
【最高速度】266km/h
【作中の搭乗者】谷輝(無所属・28歳)
通称「S15」
シルビアは日産がかつて販売していたスポーツカーだ。
オオサキの乗るワンエイティこと180SXとは兄弟車の関係に当たる。
初代はダットサン・フェアレディ、2代目以降はサニーと兄弟車の関係だった。
途中でサニーはFFになるものの、シルビアは一貫してFRを貫いた。
3代目のS110・5代目のS13型はデートカーとして商業的に大ヒットし、特にS13以降のモデルはドリフトやチューニングとして根強い人気を得ている。
このS15は1999年1月に登場したシルビアの7代目に当たるモデルだ。
キャッチコピーは「ドライブしよう」「SPORT SILVIA」、シルビア史上初めて日産がシルビアを「スポーツカー」と称して作られた。
先代のS14型で不評だったボディサイズをダウンサイジングし、再び5ナンバーに戻している。
またグレードの変更が行われ、それまでの「J's」「Q's」「K's」から、NAモデルの「スペックS」とターボモデルの「スペックR」の名称に変更されている。
S15型の登場に合わせ、180SXは生産終了している。
左ハンドル仕様が開発されていなかったため、海外向けはオーストラリアとニュージーランド向けに留まっている。
SR系エンジンはさらに改良され、スペックSのSR20DEは165馬力、スペックRのSR20DETは250馬力となっている。
スタイルの特徴はサイド面のプレスラインがリアフェンダー、リアトランクにかけて徐々に絞り込まれた「深堀りプレス成型」を採用したリアフェンダーだ。ヘッドライトはボンネットに回り込んだ「吊り目」デザイン、テールランプもトランクに回り込んだ大型のものが採用された。
ターボモデルのスペックRにはアイシンが製造した6速マニュアルトランスミッションが装備され、さらにターボチャージャーにはS14型から引き続きボールベアリングタービンが採用される、レスポンスアップを図りつつ、低速回転からストレスなく回る仕上がりとなっている。
ただし、アイシン製6速トランスミッションはシフトフィールに優れず、元々NB8C型マツダロードスター用に開発されたものをベースとしていたため容量的な余裕がなく、エンジンパワーを上げるとトラブルが多発した。
元々はJZA80型スープラと同じゲトラグ製6速トランスミッションを搭載する予定だったらしい。
なので、強度の高いスペックSの5速マニュアルトランスミッションを採用するドライバーがいるほど。
現在ではドリフトで人気の高いクルマだが、当初は上がったボディ剛性が高すぎて、あまりにも操作に対して敏感すぎるのでドリフトが難しいと言われたことがある。
2000年5月には、国産初のフルオープンタイプ電動メタルルーフのオープンカーのヴァリエッタを発表した。
ベースとなったのは、第33回東京モーターショーに参考出品された、オーテックジャパンと高田工業の共同開発車だ。同年7月に発売され、エンジンはNAモデルのみだ。
2002年11月には、折からのクーペ市場縮小や排ガス規制の影響もあって、兄貴分のBNR34型スカイラインGT-Rと共に生産終了する。
これにより、37年に及ぶ歴史に幕を閉じた。
歴代モデルでもっとも短いものの、派手なデザインと高い走行性能から人気が高い。
モータースポーツでは、全日本GT選手権のGT300に参戦し、2001年にはドライバーズタイトルを獲得している。
2001年、2002年には全日本ラリー選手権の2WD部門に参戦し、これもドライバーズタイトルを獲得する。
さらに、S15のモータースポーツで欠かせないのはD1グランプリだ。
現在最多優勝を誇っている。
2010年以降はパワーウォーズ化からSR20からトヨタの2JZ-GTEをはじめとする大排気量エンジンに乗せ替えることが多くなっている。
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