第3話 カオスな設定と気絶中の姫


 

 桜姫が気絶中でヒマなので、もう少し『カオス戦国』の話をしておこうと思う。

 これから私が暮らす世界だし、復習もかねて。

 といっても、発売されたばかりのNEOはプレイしていないから、携帯ゲーム版の内容だけど。



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 簡単に説明すると『カオス戦国』は、神様や怨霊などの霊的なものが存在する、戦国時代の日本に似た異世界『日ノ本ひのもと』が舞台になっている。

 各地には妖力が強い『怨霊』が蔓延はびこり、人々に害をなしていた。

 そしてそれらから人や領地を守るため、神力が強い『霊獣』を従える戦国武将が現れた。



 事のはじまりは十九年前。

 霊獣”炎虎”を使役する武隈信厳たけくましんげんは『甲斐の虎』。

 ”神龍”を使役する上森剣神うえもりけんしんは『越後の龍』と呼ばれていて、二人はライバル関係にあった。

 主人公の桜姫は、その信厳と剣神の娘だ。

 ちなみにこのゲームでは、剣神が“男装した女性”という設定になっている。


 数多の戦を経て、殺し愛の関係が高じて……って事なんだけど。

 剣神が女性だということは、上森家のトップシークレット。 

 それがよりによって宿敵・信厳との間に子が出来たっていうんだから、さあ大変。

 桜姫はその存在を隠され、越後山中の尼寺でひっそりと育てられる事になった。


 以下、公式HPでの紹介文。


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 桜姫が生まれて十八年の月日が流れた頃。

 後継者をはっきりと定めないまま剣神が亡くなると、その枕元に毘沙門天が立ち、遺体は煙のように消えてしまいました。


 それまで世間は「上森剣神は(自称)毘沙門天の化身ww」と厨二病扱いしていたのですが、本当に毘沙門天の化身だったのです。

 その事に、あろうことか上森家が一番、仰天しました。


 さて、そうなると、ひっそりと育てられていた桜姫は『毘沙門天かみの娘』という事になります。姫の存在は俄然がぜん、注目されるようになりました。


 子がいないとされていた剣神には、甥にあたる影勝かげかつ相模さがみ東条家から迎えた陰虎かげとらという二人の養子がいて、すでに家督かとく争いが勃発していたからです。

 ここにきて新しい『後継者候補』の誕生、どもえの様相です。


 さらにこの混迷の最中さなか、「姫はワシの子!」と名乗りを上げたのが 武隈信厳。


 病で先が長くないと悟っていた信厳は「桜姫を連れてくるように」と、かつて越後に人質に出されていた桜姫の幼馴染、真木雪村を越後に送り込みました。


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 ……公式で「(自称)毘沙門天の化身ww」って扱いもどうかと思う。



 で、現在の状況。


 信厳から「姫はワシの娘だから迎えにいくね」と文が届き、困った尼寺が上森家に姫を引き渡そうと城に向かう道中、怨霊 『土蜘蛛』に襲われてしまった。

 そこに、姫を迎えに来た雪村が駆けつけた、ってところまで話が進んでいる。


 とりあえず序盤は一緒みたいだから、ゲーム通りに行動すれば問題なさそうだ。

 そんな訳で私は、姫を輿に乗せて甲斐へ戻ることにした。


 起きていてくれれば 炎虎に乗せて一気に戻れたのに。

 ホントに桜姫、どうして『気絶する』を選択したのさ……。


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