第157話 フランダル魔法国

フランダル魔法国は文字通り魔法が生活に溢れてる国だ。


この世界では魔法の素質を持たないモノは魔法をうまく使えないと言われている。その中で、フランダル魔法国は、剣術の素質がなくても剣を持って戦えるように、魔力があれば誰でも魔法は使える。


魔法はイメージと理論だ。を国の理念に掲げている国だった。なのでそこに住む人々は多かれ少なかれ魔法が使える。もちろん魔法が使えない人もいるが、魔法文明が発達しているフランダル魔法国では魔法と同様に魔道具技術も発展している。


例えば水を例に挙げるとすると、飲料水や洗濯、お風呂など水は人の生活において欠かせないものだ。水の魔法が使える者は自分達で魔法を使って飲料水などを準備できる。フランダル魔法国以外の国では、水の魔法が使えない者は、井戸や川などから水を汲んできて飲料水などにあてている。


それがフランダル魔法国だと、水が出る魔道具が普及しており、井戸に行かなくても、川に行かなくても水を出す事ができるのだ。


そんなフランダルの中でも中心都市、魔法都市フランダルへラッキー達は到着していた。


「さすが中心都市ね。大きな町だわ。」


「そうだな。とりあえず宿を探そうか。」


「その後はストリンガーさんとドルチェさんに会いに行くんですか?」


「そうだな。どこにいるかわからないからとりあえず魔法学園に行ってみようと思う。2人とのそこの生徒だって言ってたし、行けば会えるだろ?」


「ギルドには行かないの?道中倒した魔物の素材も売却しないと。」


「そうだな。先にギルドに行ってその辺済ませるか。」


「そうね。まあ原初の森の魔物の素材のおかげで今はお金には困ってないけど、あればありがたいものね。」


『ラッキー。串焼きが売ってたら買ってほしいんだぞーー。』


「そうね。リルちゃんの食べ物も打ってたら買いましょうね。」


『さすがマリアなんだぞー。』


魔法都市フランダルに到着したラッキー達は、一番初めに目に着いた宿屋で寝る場所を確保し、次いでギルドへと向かった。


ラッキー達の冒険者ランクはCだ。ガイア国でオーディルダンジョンに行ったり原初の森で修業したりと実力的にはAランクと遜色はないと言っても過言ではないが、ギルドの仕事を最近はほとんどしていなかった為、ランクは全く上がっていなかった。


「色々依頼はあるみたいだけど、私達のランクじゃできない依頼も多いわ。いくつか依頼を受けて、ここいらでギルドのランクを上げといてもいいかもしれないわね。」


「たしかにシルフィーの言う通りだな。Cランクじゃ変なトラブルに巻き込まれる可能性もあるし、時間ができたらギルドの依頼を受けようか。」


ラッキー達は、先に知り合いに会う事を優先したので、ギルドの場所と素材の売却だけ行い、魔法学園へと向かった。


「ここにストリンガーさんとドルチェさんがいるんですね。」


「それにしても広いな。何人ぐらいの人がここで魔法を学んでるんだ?それに、こう広いとどこにいけばいいのかわからないな。」


「そうですね。学園内の人に聞いても知ってるかどうかわからないですし、どこか受付みたいな所があれば良いのですが・・・」


「聞いてみればいいわ。すいませーん。ちょっと教えてほしいんですが?」


シルフィードが学園内を歩いている学生達に話を聞きに行った。


「さすがシルフィーだな。」


「ええ。あの子は行動力は抜群ですから。」


「わかったわラッキー。マリア。あの建物の1階に行けば教えてくれるって。」


(ストリンガーとドルチェと会うのも久しぶりだな。元気にしてるかな2人とも。そう言えば魔法を教える代わりに転移魔法を教えてくれって言われたっけ。どう教えたらいいかはわからないから困るけど、こういった場所で魔法を学ぶのもおもしろそうだな。)


ラッキー達は、教えてもらった場所に行ってストリンガーとドルチェの事を話した。一応身分を証明するモノとして冒険者カードを提示した。


すると・・・


「ラッキーにシルフィードにマリア。ようやく来たな。久しぶりだな。」


「ストリンガー!久しぶりだな。」


「ラッキー久しぶり。私もいる。」


「ああドルチェも久しぶりだな。」


「ここに来たって事は魔法を学びに来たのか?」


「ああ。教えてくれる約束だっただろ?」


「約束した。代わりに私に転移魔法を教えてくれると。」


「ははは。まあ教えれるかわからないけどな。」


「まあどうあれようこそ魔法学園フランダルへ。どうせならこの学園に留学してみないか?」


「「「留学!?」」」


「ああ。ラッキーにシルフィードにマリアにそれぞれ学びたい魔法って一緒じゃないだろ?授業だったり、研究だったり、図書館もあるから自分で調べたり、ここじゃ魔法に関する環境が抜群だ。たしか3カ月ぐらいの短期留学コースがあったはずだ。」


(留学か~。たしかにそれは面白いな。俺の場合は他の魔法が使えるようになりたいけど、シルフィーやマリアは自分の得意魔法をもっと知りたいはずだ。ここ最近は魔物と戦ってばかりだったけど、こういった勉強も大事だよな。うん。俺は賛成だ。)


「どうするシルフィー?マリア?俺は留学してみてもいいかな?って思ってるけど?」


「そうね。元々ここには魔法を学びに来たんだし私も賛成よ。」


「はい。私も賛成です。」


「なら決まりだな。それじゃあ学園長に直接話に行くか。」


そうしてラッキー達はフランダル魔法学園に留学する為、学園長の元へと向かうのだった。

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