第111話 エベレスにいるラッキーを見守る神界では・・・
「無事にエベレスについてよかったわね。」
「うん。」
「それにしても激レアの素質持ちを紹介しあう会議があったなんてね。知らなかったわ。」
「ラッキーさん。大丈夫かな?」
「大丈夫よ。心配する事なんてないわよ。ただの会議でしょ。」
「うん。そうなんだけど・・・」
「どうしたの?」
「なんか・・・いやな予感がして・・・」
「・・・」
(ミラがこんな事言うなんて・・・四国会議で何かあるっていうの?たしかにラッキーの持つゼンパンの素質は謎が多いし転移魔法も脅威だとは思うけど・・・まさか脅威だから始末しようって考える国があるって事?でも同盟国よね?ロシアン帝国が関与してるって事?ダメ。予想すればきりがないわ。)
「大丈夫よミラ。今までもラッキーはちゃんと切り抜けてきたじゃない。ラッキーを信じましょ。」
「うん。」
「これから先の事を考えると他の国の激レア素質持ちの子達も気になるわね。」
「どうして?」
「四国同盟はロシアン帝国に対抗しての同盟でしょ。帝国は力で領土を広げてきた大国なの。だからこれから先帝国がその四国を侵略する可能性は高いわ。もちろん帝国にも激レア素質をもった者は多くいる。そうなると、ラッキーの国であろうが他の国だろうが、帝国が攻めてきたら戦わないといけないわ。その為に今の内に交流を図るっていう四国会議はかなり有意義な会議だと思う。ラッキーが仲良くなれるといいけど・・・。」
「姉さんは参加者の事知ってるの??」
「全員は知らないわ。勇者は当然知ってるわよ。素質を与えてるのは父さんだしね。他は賢者と守護神の子は見た事あるわ。どっちもラッキーとは仲良くなれると思うわよ。」
「よかった。」
「他の子はわからないわね。まあ素質の名前から誰が与えてるのかはわかるけど、あまり私も交流の無い人達ね。」
「そっか・・・」
「安心しなさい。モートンみたいなヤツじゃないから。」
(って言ってもそこまでしらないから安心はできないけど。例えばメルトみたいにシルフィードやマリアにちょっかいかける人がいたらちょっと問題になるかもしれないわね。)
「うん。」
「それにしてもラッキーの転移魔法ってすごいわね。このまま距離を広げたら1カ月や2か月後には町から町への移動も可能になりそうね。シークレットガチャスキルだっけ?運が1000を超えたら使えたんならこれから2000、3000と増えていく度に使えるのよね?」
「違う。次に使えるのは運の数値が10,000を超えたら。」
「えっ・・・そうなの?」
「うん。」
「そっか~。ならシークレットガチャスキルはしばらく使えないわね。魔物を倒さないとモンスターガチャスキルも使えないし、デイリーガチャスキルは1日1回しか使えないからしばらくは素質はなかなか手に入らないかもしれないわね。」
「うん。パンばっかり出てる。」
「そう言えばプレミアムガチャスキルっていうのもあるって言ってたじゃない?あれは?」
「あれはまだ使えない。」
「そうなの?」
「うん。」
マイがミラが不安がってるので、色々話しかけていると・・・
『ミラ様、マイ様お久ぶりです。』
「「フェン!?」 」
ミラとマイの元に、原初の森にいるはずの原初の森の主、フェンが現れた。
フェンはミラの元に駆け寄り、ミラはフェンが傍に来るとうれしそうにフェンを撫でた。
「フェン久しぶり。元気にしてた?」
『はい。お陰様で元気にやっています。』
「フェンどうしてここに?」
『ゼウス様に許可をもらいました。うちの子がミラ様が素質を与えた子の所にやっかいになっているので、ここならその子の様子を見る事ができると思いまして。』
「ちょうど見てたところよ。リルも元気にやってるわよ。オークの肉ばかり食べてるけどね。」
『それはよかったです。それに・・・ミラ様にも久しぶりに会えました。』
「うん。私もフェンに会えてうれしい。」
『それに、ミラ様が素質を与えたラッキーという男の事も気になっていたのです。どんな人物なのかと・・・』
「ラッキーさんはすごい人」
『リルには原初の森に連れてくるようにいったんですが、中々来なくて・・・。それでこちらから神界にお邪魔した次第です。』
「いつでもきてくれていいわよ。お父様が許可してるのなら問題もないでしょうし、でないとラッキーが原初の森に行くのはまだまだ先でしょうからね。」
『そうですね。あそこの魔物は人間には少々レベルが高すぎますから。』
「でもラッキーさんなら必ず行く。」
『ええ。期待して待っていますよ。』
(よかった。フェンが来てミラに笑顔が戻ったわ。心配事もあるけど、こうして見守るしかできないものね。フェンが定期的に来てくれるなら安心ね。それに、フェンに伝言を頼めばラッキーにミラの言葉を伝える事ができるかもしれないわ。ルール違反になるかもしれないから一度父さんに相談してみようかしら。)
そこからミラとマイは、フェンにラッキーの話をし、フェンはミラと別れてからの事を話した。ミラとマイとフェンはしばらくぶりの再会を喜んだのだった。
嫌な予感がすると言ったミラの様子はすっかりよくなり、なごやかな気持ちでラッキー達を見守る2人と1匹であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます