第47話 モンスターガチャスキルは溜める事ができる!?
ラッキーとシルフィーはリスボーンのダンジョンの2階層に進んでいた。地図もあったので、1階層辺りの時間は1時間程だ。
「これなら今日5階層までいけそうね。」
「でも5階層まで行くと戻れなくならないか?」
「帰還玉があるじゃない。せっかく準備したんだし使わなきゃもったいないわ。それ程高い物じゃないし、ラッキーならその内。魔物からドロップするでしょ。」
「たしかにそうか・・・。でもスライムゼリーはドロップしたけど帰還玉は1個もドロップしなかったな。」
ダンジョンに出てくる魔物は、通常のドロップ品とレアドロップ品以外に特殊ドロップの帰還玉と、ステータスの種のような激レアドロップ品が存在する。
特殊ドロップの帰還玉は魔物を10体倒せば1個ドロップする確率なので、一度ダンジョンに入ればだいたい帰還玉を5個〜10個は手に入れる事ができる。
帰還玉とは、ダンジョンに挑む冒険者にとって必要なアイテムで、文字通り、使うと一瞬で地上に戻る事ができる。
次に挑戦する時はもちろん1階層から挑まなければならないが、危なくなった時に一瞬で地上に戻る事ができるので、ダンジョンに挑む時の必需品だ。
ちなみにダンジョンから出る方法は帰還玉を使う以外に、10階層毎にいるボスを倒した後に現れる帰還魔法陣を使っても戻る事ができる。もちろん来た道を戻っても地上に戻る事はできる。
だが、一度地上に出ると次回からは1階層からの挑戦になる。10階層から再挑戦。みたいな都合の良い話はなかった。
「そんな都合良く色々ドロップしないって事なんじゃないの?さすがにスライムゼリーと一緒に帰還玉はドロップしないだろうし。」
「それもそうか。」
「それより、スライム10体倒したけどモンスターガチャスキルは使わなくてよかったの?」
「ああ。それなんだけどすぐに使わなくても大丈夫みたいなんだ。今使うと荷物になるし、どうせ出るのはパンだろうからお昼ご飯の時に使おうかと思ってね。」
「なるほどね。じゃあ10回分貯めれば10回連続で引けるの?」
「どうなんだろう?今まではすぐに使ってたからわからないな。それにデイリーガチャスキル
は次の日に使う事ができないし。都度都度で使ってたからなぁ。」
「それなら試してみましょ。お昼は干し肉とパンを持って来てるし問題ないわ。今日1日じゃ100体は、無理だけど明日も頑張ればいけるわよ。」
「そうだな。じゃあモンスターガチャスキルは10回使えるまで貯めておくか。」
ラッキーとシルフィーは魔物を倒す為に、2階層も最短距離は進まず遠回りして魔物を倒しながら3階層に繋がる階段を目指した。
「やったわ。帰還玉よ。」
リスボーンのダンジョン、2階層はゴブリンが出てくる。ゴブリンのドロップ品は布の服、レアドロップはゴブリンナイフだ。
1階層の時と同じように、ラッキーとシルフィーは交互にゴブリンを倒していた。ゴブリンも草原や森では何度も倒していたので余裕で倒していた。
2階層でシルフィーが5体目のゴブリンを倒した時、魔石と共に帰還玉を落としたのだ。
「やったな。シルフィー。」
「ええ。そろそろドロップするとは思ってけど、ラッキーを見てると、運を全てラッキーに取られて私はドロップしないのかと思ってたから出てくれてほっとしたわ。」
「俺も出てくれてほっとしたよ。シルフィーが倒した魔物からドロップアイテムが出ないの気になってたから。」
「そりゃそうでしょ。あなたはさっきから布の服ばかりドロップしてたものね。確率10%が通常のドロップアイテムがラッキーの場合は80%の確率でドロップするのよ?おかしすぎでしょ。」
シルフィーがスライム5体、ゴブリン5体を倒して、ようやく帰還玉を1個手に入れたのに対して、ラッキーはスライム5体、ゴブリン5体倒して、スライムゼリー4個、布の服4枚を手に入れていた。
「たしかにね。でも通常ドロップばっかりで、レアドロップ、特殊ドロップ、激レアドロップは全然出ないけどね。」
「それも時間の問題だと思うわ。布の服なんか何枚出てもうれしくないけど、これから下の階層に行けばラッキーの運でドロップアイテムが手に入り放題よ。」
(たしかにシルフィーの言う通りだ。スライムやゴブリンはドロップ品も大したことないからあまり実感がないけど、下にいけば行くほど、良いドロップアイテムを落とす魔物も出てくるだろう。それを考えると本当、俺の素質ってヤバいな。まあ素質というより運の数値か。それにドロップアイテムがなくたって俺にはモンスターガチャスキルがある。)
先ほど、10体目のゴブリンを倒した時、ラッキーの頭の中いつものアナウンスが流れていた。
『Fランクの魔物一体討伐を確認しました。10体の魔物の討伐を確認しました。平均討伐ランクはF。Fランクのモンスターガチャスキルを使用できます。現在ストックが1つありますので、合計で2回使用可能です。』
というアナウンスが流れていた。
(ストックがあるアナウンスは初めて聞いたな。魔物はシルフィーが倒しても俺には何も影響はない。この調子で3階層も交代で倒して行けば問題ないだろ。)
その後、3階層に続く階段を見つけたラッキー達は先に進むのだった。
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