第106話八百万 パスタの日リターン
世界的にも有名なパスタ。
イタリアの主食で色々な形をしたパスタが存在するが、日本ではスパゲティを主にパスタと言う事だろう。
さて日本は様々な海外の文化を取り入れ、それを日本人にあわせて改良や小型化、利便性をあげる事が得意で料理の分野でも自分達の舌に合う様に、海外から取り入れては魔改造をしてきた。
近年海外からの旅行客からの、世界から取り入れた料理達は原点こそ日本にないものの、日本が改良して更に美味しくした!と好評を貰う事も多く、喜んで貰う事に嬉しさを感じる私は勝手に喜んでもらえてよかったなぁとおもったりしているのだが、そんな魔改造料理の日本だが、喜ばれていない料理ももちろんある。
その代表になる料理が、ナポリタンと生クリームを使用したカルボナーラである。
ナポリタンは現地の人々からナポリの名を名乗ってほしくないとまで嫌われ、カルボナーラにいたっては生クリームを入れるなんて犯罪的な罪だと言われるほどである。
ナポリタンはアメリカのスパゲッティウィズミートボールを源流として作られた料理であり、玉ねぎ、ピーマン、ベーコンを炒め、麺とケチャップをあわせたスパゲティである。
海外の人には嫌われているナポリタン、でもこのナポリタンには日本の西洋文化への憧れの歴史や戦後落ち着いてきた時代に海外から新たに西洋料理を取り入れた日本の新たな出発の門出の様な料理であり、ちょっとした日本の古き良き喫茶店や街の洋食料理店で安価に気軽に食べれて、それでいて各店舗独自のこだわりもあり、味にはずれもなく。
今でもコンビニでふらっと弁当を買う時にたまに無性に食べたくなる日本を代表する料理だと私は思う。
味覚がまだまだ幼い子供の頃、夢中になって食べたナポリタン、オムライス、ハンバーグやからあげ、もうこれだけあれば幸せと言わんばかりに目を輝かせて母の料理を楽しみにまったものである。
現地の人には嫌われるかもしれない、気持ち悪く思われるかもしれない、それでもナポリタンは今も日本で煌々と輝くほど、つい「そうこれこれ」と言いながら食べてしまうほど日本に根付いた日本の料理なのである。
八百万パスタの日
大量のパスタを料理するのにナポリタンは中々に料理しやすい料理の一つといってもいいだろう。
だが、八百万のナポリタンは地球の日本の物とは少し違う、異世界で玉ねぎの王様である王玉タマネギを使い、食感のアクセントが素晴らしい宝石シリーズのサファイアピーマンとベーコンはダンジョンからとれた、灼熱豚の香ばしく薫り高い、燻製に合う豚を使う。
そして今日がナポリタンの日だと聞くと、瞬く間に列が出来上がり、みんな銀貨を一枚握りしめ列を作る。
孤児や幼い子は無料で食べれるナポリタン、広くなった店だけでは対応できない程の列が出来上がる為に皿とフォークを持参して外で食べる人達もいるのである。
「ナポリタンだ!紅玉トマトで作ったトマトソースのナポリタン!粉チーズと唐辛子ソースをたっぷりかけて食べるのが俺の正義なんだ!」
最近では辛い料理が段々と広まってきたのか?備え付けの唐辛子ソースをどれだけ大量に入れて美味しく食べれるか競われるなど住人に変化もみられる。
「俺は5辛かな?ちょうどいい辛さが5なんだよ」
「俺は10でもいける!あの突き抜ける強烈な辛さを、横にとってある粉チーズのナポリタンでまろやかにするのがいいんだ!」
「ばかやろ!最初の一杯目は普通に!その次から唐辛子ソース!これが一番いい!まずはそのままのナポリタンを頂くのよ!!」
「王玉タマネギとサファイアピーマンの味がうまいてよぉ、そこに灼熱豚のぷるんとした脂身と肉!んでもってトマトたっぷりの麺をこうずずっといくとよぉ・・・・・うめぇんだよなぁ!甘味なんかもあって、麺なんかももちもちでさ、んでもってチーズ!粉じゃなきゃ意味がない!とろーりとしたチーズもいいけど、ナポリタンには粉チーズ!それに唐辛子ソースを一辛?二辛?三辛くらい振りかけて、また一つずずっといくわけよ!」
「なんか妙に懐かしい味なんだよなぁ、かあちゃんを思い出すっつーか、なんかほっとするんだわ」
「毎日じゃなくてもいいんだよ。今日はナポリタンだぞ~って言われるとついつい並んじまう」
「たまに夜の部でも余ったナポリタンをグラタンにしたり、ホワイトソースとかチーズかけてくれたりと色々やってくれんだよなぁ」
「え?マジ?知らないんだけど、それ俺」
「昼で売り切れちまう事の方が多いし、夜の部全員には出せないからって斗真の旦那がこっそり出す事があんのよ。当たった奴は超ラッキーなわけ」
「かぁ~旦那たまにそういう事するよなぁ、昨日も世にも珍しいケーキとか言う甘味作ったらしいじゃねぇか、ニーア姉さんが宝珠に録画してた映像をギルドで見せびらかすから、甘味大好きな連中がもうカンカンでなぁ、自分ばっかり作ってもらえるからってずるいぞ!って映像であんな美味そうに食ってるの見たら溜まったもんじゃねぇや!って朝から大乱闘だったぜ。斗真の旦那が甘味好きの連中に作ってあげるからって約束してようやく落ち着いたって話だ」
「なにそれ、俺も食いたいんだけど、その甘味」
「俺だって食いてぇ!」
「また戦争になるぞ!?いっそトーナメントまたやるか?」
「普通に頼めば作ってもらえるかもしれないからやるだけ無駄になりそうだけどな」
「ぐわぁあああああ、いま通り過ぎたオグレスのナポリタンの量みたか!?いいなぁ胃袋でかい組は心行くまで食べられて!魔力消費してそなえねぇと!」
「焼きそばも斗真の旦那お手製の八百万特製焼きそばは祭りでしか食えないからなぁ」
「麺料理も結構あるし、商業ギルドでレシピも増えてんのにどこの店も怖気づいて手をつけやがらねぇ!」
「ウェールズで斗真の料理並みに美味くて、模倣もしてって店はアステリオスの店くらいじゃないか?」
「アステリオスの旦那は流石だよな!八百万に負けずうめぇわ、味もさらにアレンジしてるわで特級調理師は違うなぁ」
「そばにうどん、スパゲティに焼きそば、ラーメン、麺だけでもこれだけあるもんなぁ、ああっラーメン・・・・・家系、背油、塩に煮干しに醬油に豚骨・・・・・毎日食いたい・・・・」
「毎日じゃなくてもいい!七日に一回はラーメン!天丼!海鮮丼!スパゲティにカレーにすき焼き!ハンバーグ!がくいてぇ!」
「オムライスにメンチカツもいいよなぁ、でもおらぁ最近は魚の煮つけに塩焼きなんかも好きだなぁ素敵だ」
「否!ウナギだ!八百万といったらウナギだろ!最近つくってくれないのはなんでなんだぁああああああああ」
「イールな、他の国でも食材として使われ始めて人気らしいぞ。斗真の旦那のレシピで美味く食えるし、他国の奴らは比べられても知らんぷりらしいからなぁ」
「投書箱に熱心にかけばまた復刻してくれるかもしれんぞ」
「なんにしても今日はナポリタンだ!オニオンスープにサラダまでついて銀貨一枚!早く順番まわってこないかなぁ」
ナポリタン、今でも日本人の心を掴んでいる伝統ある料理ナポリタン。
それは異世界でもスパゲティ料理として根付き始めていたのである。
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