子の子の子

合体した石鹸。合体した希望。一つに満たないものたち。


60円60円10円10円赤い車が連れ去りました


とりあえず(私は私好き嫌い我慢できる子いい子の)ビール


バルーンアートを空気アートと呼ばないように僕は今日も表皮の僕


お互いをあまり知らない恋だからまるで新田開発だった


セーター私セーターセーターあなたセーター毛糸たちの情事


おまえの子の子の子の子の子の春風も胸をきゅんとさせますように


洞窟の影は時たまおそろしい 君だと確信できないでいる


雲だった 動くものだけ追いかけて夜が来るのを今日も信じた


「愛したい」「殺したい」の間にも腹が減ってる 腹は減るんだ


大の字というには短き足ぐんとぐんぐんぐんと伸ばして眠る


新しい扇風機と友人になれた日に窓の外では秋風が吹く


いつだってはがれかけのセロテープ氷河期三度ぐらいそのまま


いないいないいないいないどこまでも「ばあ」を探して笑えない日々


地下鉄の乗り換え技能検定があれば必ず落ちる様相

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る