ちっぽけ


星になんか ならなくていいよ

風にもならなくていい

そんな、大きくて広くて、遠い存在になんてならなくていい

悟りもいらない


ちっぽけなまま


ちっぽけだからさ

苦しみもかなしみもさけられないんだろうけど

正面から ぶちあたっても

痛くたって笑いとばしてみせるから


ちっぽけに人を愛して

ちっぽけに確かめ合う

神さまのようには 愛せないよ


ちっぽけだから依存もするし、こだわりも捨てられなくて

自業自得かもしれないけど

ちっぽけでいたいよ

ずっと一緒にあたたかなままで


ちっぽけだから あいしあう

よわくて きたない

ちっぽけだもの 仕方がないわ


えらくもないよ

尊敬もされない

うやまわれない

わるさもするさ

かんぺきじゃないし

宇宙のチリのかたまりだもの

チリがあいしあい

固着して、えらぶって

どれだけこっけいかしら

この輪廻から解脱したら

世界はカスだらけに見えるかも

そうしたらきっと

ちっぽけゆえに美しい


だから 私は ちっぽけがいい

あなたと私と

ちっぽけどうし

ちっぽけなままよ

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