たまには騎士らしい活動をしてみよう。
衣装があまりにも恥ずかしいので上に一枚マントをつけてもらった。
もっと
「閣下も首都に帰ったし、武者修行を始めますか。まずは近くの開拓村に赴こう。賞金貰ったけど、地道にお金稼ぐこともしないとね」
「わん!」
馬車鉄道や普通の馬車はぽちが入らないので乗れない。四匹だけの楽しい遠足であーる! わっしょい! わっしょい!
ここは地図で表現すると南の僻地に作られている街。首都方向から北に抜けて隣国へ向かいたいので、首都へ続く街に向かいつつ開拓村へ行くとしましょうか。一つ北の街だね。
街道をのしのし歩く。レンガで舗装されているので意外と快適である。レンガはアスファルトみたく柔らかくないからちょっと足が痛くなりやすいんだけどね。まあ、ぽちに乗ってるし。ぽちなら歩くの余裕だし
(はなほじ。
順調に進み、順調に警備が薄い所へと到着。どうしても街と街の境目は警備が薄くなっちゃうね、遠いから。警備兵の駐在所でもあれば良いんだけど、ここは僻地だからねえ。
さて、少し辺りを掃除しますか。
訓練で格段に強くなった『きつねのかんかく』で周囲を探る。
研ぎ澄まされた感覚、気配の読み方が、林の向こうにモンスターがいることを告げる。
「よし、あっちだ。いこう」
ぽちと一緒に林の向こうへと進む。
途中、モンスターの気配が逃げ出し始めたように感じた。
ぽちの存在感がデカすぎてさすがにバレたか。
ぽちを疾走させ一気に距離を詰める。
「大豆と小豆は退路を断って!」
「バウ!」
「キャン!」
四匹で効率よくモンスターの移動を封じ、仕留めにかかる。
こいつは猪のオーク。ブタのオークの顔が猪になったようなモンスターだが、力は強く気性も荒い。簡単な衣類と武具も自作して持っている。
訓練された兵士なら処せるがそうではないものにとっては恐怖でしか無い。
性別の区別無く人をさらって自らと強制性交させ、自分らの子孫を作るそのため、種族関係なく知性ある物に大変忌み嫌われている。
こっちの世界の本物のゴブリンといった所か。
こっちのゴブリン全然雑魚じゃ無いんだよな。実に異世界である。
現在猪のオーク一匹を三匹で囲んでいる状況。
深く考えずさっさと処した方が早いな。
「ぽち、炎!」
「わん!」
ぽちから炎属性を貰う。
そして騎乗から猪のオークへ向けて棒をなぎ払う。
棒から光刃みたいな感じで炎が吹きすさぶ。
これが特訓して覚えた属性飛ばしだ。技名は無いけど。あった方がかっこいいかな。考えよう。誰か考えてくれ。だれかーだれかー。
炎刃は猪のオークに直撃し、猪のオークは炎に包まれる。
猪のオークは体に豊富な脂肪を蓄えており、それがよく燃える。
そのため火を嫌うので僻地では集落の周辺にたいまつをおき、常に燃やして侵入を防いでいたりする。
その嫌いな火を直撃してあげたのだ。どうだ、嬉しかろう、ふひひ。
「ぶひいいいいいいいい!!」
猪のオークが死のダンスを踊りながら見る間に黒焦げになっていく。
数分で息もしなくなり、燃え続ける脂肪の塊となった。
「よし。猪のオークの牙は調合薬に使われるんだよね。一応取っておくか」
燃え尽きているが猪の鋭い牙をむしり取り、こんなことできるおなごって居ないよなー。訓練した甲斐あったなー等と思いながら林の中に居た家族も殺した。こっちは牙が欲しかったので切り刻んだよ。
猪のオークは居ると増えるから皆殺しが基本。慈悲は無い。
この後は林を見回ってブタのオークを処分したり、強酸性スライムの奇襲に遭い強酸汁を振りかけられたもののミニスカ衣装が完封して
うん、十分騎士活動をしている。
騎士活動をしていると夜になるのでキャンプを張る。
といっても旅の邪魔にならないように持ち込んでいるものはテントと毛布、火付け道具に鍋くらい。
林はそこら辺にあるからね。
魔術の杖でギザギザ刃を取り付けた棒にして、〈力場〉を貰ってヴィーンとチェーンソーのようにして細い木を切り倒して、〈熱〉で強制乾燥させればどこでも薪用木材はできるし。
普通ならテントなんて持ち込まないけど、ウチには優秀な警戒犬が三匹もいる。ふっつーにグウスカ寝れるのだ。凄いだろーえっへん。ゆうて雨をしのぐだけの品物ですが。雨風しのげるテントに入っていたらさすがに棺桶に入っているようなものだわ。
犬たちは適当にかわりばんこで寝るため別段指示しておかなくても良い。便利。もう離れられない。大好きチュッチュ。
数日ここら辺の掃除をした後に旅を再開。
そろそろお風呂入りたいな、次の街までどれくらいだったっけ。
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