真夏のお出掛け ◇〈400字〉

「本当に二頭だけで大丈夫ですか? 私も行けますよ?」

 小冬ママさんは心配性ですの。

 でも、それも当然ですの。茉白ちゃんはとっても可愛い白熊ちゃんだから、油断してると拐われてしまいますの。

「安心してくださいの、小冬ママさん」

 だからこそ、何度でも言いますの。

「この黒鳥イチコ、何があろうと茉白ちゃんを守ると誓いますの」

「む、無理しないでイチコちゃん」

 茉白ちゃんは優しいですの。

「無理じゃないですの」

 その前肢を取って、可愛らしい目をじっと見つめる。

「茉白ちゃんと二頭だけでお出掛けをしたい。その我が儘を叶えてくれるんです、必ず守りますの」

「イチコちゃ……」

 きっと返事のつもりで、握る前肢に力を込めてくれましたの。

 あぁ、茉白ちゃん! なんて可愛いんですの茉白ちゃん!


「……え、死地に行くの?」

「近所のコンビニにかき氷食べに行くんですって」

「……まぁ、外暑いから、ある意味死地か」


 茉白ちゃんとお出掛け楽しみですの!


◆◆◆


『白熊のいる日常』より、白雪茉白と黒鳥イチコ。


 コメダのかき氷食べたくなって書きやした。

 コメダ行きたい……。

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