全力出さずに死にたい。出来れば、死ぬまで働きたくない。

円丸

プロローグ

「貴方は何歳で死にたいですか??」


現代文の授業の時、先生が放った質問。

いつも通り聞いていなかった授業で、ふと耳に入ってきた問い。


「100歳!!」 「90歳!!」 「120歳!!」

クラスメイトが次々と質問に答える。


何歳で死にたい、か。


65歳くらいがやっぱベストか?


でもそれって、定年過ぎてやっとハッピー年金生活の始まりなわけじゃん。


めっちゃ頑張って働いて、やっと解放!の時に死ぬってことか。それは嫌だわ。


じゃあ、男の平均寿命の81.4年?

月で換算すると、976.8ヶ月。

日で換算すると、大体29304日。


今日は10月1日で、俺は15歳だから残り何日だ?

ちょっと長い気がするな。


俺は基本的に、気力というものがない。

そして、"全力"という言葉が大嫌いだ。


部活に、勉強、友人関係。そして、恋愛。

全力を出せば、辛いことだって必ず来る。


だから、俺は"全力"を避ける。

面倒だから。傷つきたくないから。


全力を出さずに死ねる人生。

一生親の脛を齧る人生。

一生働かない人生。


恋愛をしないで過ごせる人生。


そんな人生が存在したら、どれだけ楽だったのだろうか。


この物語は、俺の伝記の一部だと思っていい。


簡単に云えば、そう。どこにでもいる1人の少年の黒歴史だらけの長いポエムだ。


「貴方は何歳で死にたいですか??」


現段階の俺の答えは、25歳だ。

残り10年で充分だ。


でも。


もし、この先、最愛の人を見つけて付き合って結婚をしたら。


もし、"家族"ができたら。


俺は、全力で働いて100歳くらいまで生きたい、と思うかもしれない。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る