変態女の家に行く約束をする

 昼休み。体育館裏に行くと、レジャーシートに座っている新海さんと本城さんが俺を待っていた。…ずいぶん早いな。


「あきちゃ~ん」

新海さんが俺に手を振る。


「わかってるから、大声で呼ぶな!」

他人に聞かれたら、恥ずかしいんだよ。


「彰君の声も大きいじゃん」

ツッコむ本城さん。


「今日は早いんだな」

2人の前に腰かけた後、尋ねる。


「4限が早く終わったおかげだね」

本城さんが説明した。


「それより、早く弁当食べようぜ。腹減ったよ」


「うん。ウチも減った」


全員で弁当箱を開ける。



 「ねぇ、あきちゃん。今週の土曜か日曜、空いてる?」

食事中、新海さんに予定を訊かれる俺。


「空いてるが?」


「だったら、ウチの家に来てくれないかな? 昨日、下着を見せるって約束したでしょ?」


確かにそう言っていたが、マジだったのか…。


「わかった。…曜日は任せるから、後で連絡してくれ」


「うん」


下着を観るために、1学年上の女子の家に行く俺。

今更だが、どんな状況だよ?


「あたしは行かないから、2人でごゆっくり~」

本城さんが茶化すように言う。


「そうか…」

てっきり一緒に来ると思ったが、理由があるかもしれないな。



 弁当を食べ終わる俺達。新海さんがシートを片付ける。


「彰君」

何故か小声で呼ぶ本城さん。


「何だ?」

一応俺も小声で答える。


「恵の下着を観るんだから、ちゃんと褒めるんだよ」


「だから、子供扱いするなっての!」

下着を観てダメ出しする男のほうが珍しいだろ。


そんなの、言われなくてもわかっている。


「あきちゃん、急にどうしたの?」

新海さんが俺を観て困惑している。


急に「子供扱いするな」って聞こえたら、訳わからんよな。


「何でもない…」

本城さんの世話好きは、何とかならんか?



弁当を食べ終わった俺達は、教室に戻る。

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