『雾山五行』――『Fog Hill of Five Elements』
ジャンル:
おすすめ度:中国語初心者 ★☆☆☆☆
中国語上級者 ★★★★★★★
六道无鱼动画工作室プロデュースのオリジナルアニメ。
聖獣麒麟を狙う妖獣たちに、五行の力をその身に宿す道士たちが立ち向かう物語。
最初にあらすじをご紹介。
その昔、世を妖獣が闊歩していたとき。
人々の生活を脅かす強大な妖獣に対抗するため、神秘的な力を持つ道士は金、木、水、火、土の五つの氏族にそれぞれ陰陽の特別な力を授けた。
彼らは邪悪な妖獣を神聖な
結界をなんとかくぐり抜け、人里に降りてきた妖獣たちは人々が多く住む村を襲うこともしばしばあった。
しかし聖獣麒麟の霊力を求めているのは、実は邪悪な妖獣だけではなくて……。
中国アニメ界屈指の製作陣によるアクションアニメ!
とにかくかっこいいアクションシーンにしっかりと組み込まれた中華要素。
陰陽五行思想や中国の妖怪に興味がある方、アクション好きの方にぜひおすすめしたいアニメ。
次に個人的な推しポイントをご紹介。
推しポイント①:陰陽五行思想に基づいた世界観。圧巻の戦闘シーンに目が離せない!
東洋医学や卜占術にも用いられている陰陽五行思想。
中国人にとってはあまりにも身近なもののせいか、アニメでメイン要素として取り入れられることがない?
いやいや、全然そんなことない!
本作は陰陽五行思想を基盤に山海経の妖怪・神獣、その他医術、武侠要素など中国のあらゆる古き良き要素が詰め込まれている。
一言でいうとズバリ「とても古代中国風の」アニメであり、ストーリー、作画、に至るまで中国古代の神話体系に基づいた形で作成されている。
特に五行の相生、相剋の関係を巧みに生かして魅せる戦闘シーンは圧巻と言わざるを得ない。
今までで見たアニメの中でもかなり上位に食い込むほどかっこいい。
おまけに本作は、制作にあの『大理寺日志』の好传动画が関わっているということで一躍話題になったとおり、時代考証のクオリティがかなり高め。
古代中国好き、アクションアニメ好きの方必見!!
推しポイント②:わずか七話のなかで綿密に作りこまれたストーリー。聖獣麒麟は誰の手に渡るのか?
本作は聖獣麒麟の強大な力をめぐって妖獣と人類が抗争を繰り広げるメインストーリーを軸に、登場人物たちの背景などたくさんのサブストーリーがくっついてくる形で成り立っている。
わずか公開済みの第一章、第二章が合わせて七話しかないのにも関わらず、重厚なストーリーと内容で満足できる。
メインストーリーはまだ完結していないので、第三章に期待。
サブストーリーも感動する話や笑える話などたくさんある。
人物背景を知ってから改めて一話を見ると違う印象になるかも。
五行の各氏族同士が関わっているシーンはあまりないので、これからに期待。
それと個人的にお気に入りなのは、五行の各氏族が中国では珍しい二文字姓だということ。
闻人、申屠、公仪、容成、轩辕……。
二文字の名字って、中国語ではなぜか神秘的な雰囲気が出る。
推しポイント③:水墨画風の絵柄で描かれる世界。古代中国の気分を間近で味わえるかも?
最近の中国アニメ、実は密かに水墨画風の作画が流行っていたりする。
本作もそんなアニメのひとつで、オープニングからエンディングに至るまで、最新の技術を用いた水墨画風の絵柄で描かれている。
最終話のアクションは水墨画のみで表現されたシーンがあり、とても興味深かった。
水墨画ならではの鮮やかな背景描写もぜひ見ていただきたい。
ただ制作が難しいのか、更新頻度が著しく遅いのがネックだが……。
次章予告によると、次で一旦決着が着くようなので、次章のさらなる水墨画描写にも期待大!
最後にちょっとだけ小ネタをご紹介。
中国ではかなり人気なアニメで、たくさんのコンテンツとコラボをしている。
日本で人気なあの中華ゲームとも実はコラボしていたりして……。
陰陽五行思想を駆使した玄幻アクション、ぜひおすすめしたい一作です!
(記:2023/11/19)
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