中国アニメをつまみ食い！ in 2022~2023

『苍兰诀』――『Love Between Fairy and Devil』

　ジャンル：玄幻（ファンタジー）、冒险（アドベンチャー）、恋爱（恋愛）、热血（アクション）

　おすすめ度：中国語初心者 ★☆☆☆☆

　　　　　　　中国語上級者 ★★★★★★★★

　九鹭非香氏の小説が原作の作品。

　第一期全24話（2023/03/10）完結済み。第二期制作決定。

　天界の見習い仙女小兰花（しょうらんか）と古代最強の悪魔东方青苍（とうほうせいそう）による三界の数奇な運命を巡る物語。

　最初にあらすじをご紹介。

　古代の魔尊（魔界の長）、东方青苍（とうほうせいそう）が復活するところから物語は始まる。

　魔尊は目覚めるや否や、自らを倒した戦神赤地（せきち）に復讐するため天界を襲う。

　しかし、長き眠りより目覚めたばかりでまだ魔力の弱かった魔尊は返り討ちにあい、妖魔を封じる昊天塔（こうてんとう）へ閉じ込められてしまう。

　そのとき、なんと通りがかったか弱い仙女、小兰花（しょうらんか）の魂が东方青苍（とうほうせいそう）の体に入ってしまった。

　両者は体が入れ替わったまま、昊天塔（こうてんとう）から脱出する方法を探ることに。

　文字通り一心同体で行動するうちに、小兰花（しょうらんか）は东方青苍（とうほうせいそう）に対して密かに愛情を抱いていたが、彼の方はそうではなかった。

　同時に復讐にばかり執心する东方青苍（とうほうせいそう）の振る舞いに耐えかね、魔界が動き出す。

　三界全体で、世界の命運を揺るがす陰謀が始まりつつあった。

　最強魔尊とか弱い小花仙が入れ替わる物語。

　昨年、中国全土で実写ドラマが大ヒットした作品です。

　名前だけなら聞いたことがある方もいるかも？

　ここで個人的な推しポイントをご紹介。

　推しポイント①：魔尊と小仙女の中華風とりかへばや物語！？

　本作の見どころはなんと言っても登場人物のキャラクター性。

　主人公である妖魔の王と小さな蘭花の精霊だけでなく、魔族から神様、人間まで三界の様々な個性的な人物が登場する。

　それぞれの個性を活かしたセンスの光るかけ合い（ギャグも多い）はおもしろく、数々の術式を織り交ぜた戦闘シーンに魅せられる。

　（ついでに东方青苍（とうほうせいそう）が最強すぎるのでそこもぜひぜひ見ていただきたい）

　本格中華の世界で繰り広げられるとりかへばや物語も見ごたえあり。

　ふたりは体が入れ替わったことを隠すため、他人の前でいつもとは違う振る舞いを求められる。

　身分も種族も違うので、当然のことながら価値観の違いもあったり……。

　個性が強すぎるせいで話の先が読めなくて（笑）、夢中で見てしまうこと間違いなし。

　推しポイント②：中国神話の要素がたくさん！！　神怪による本格アクションも必見！

　本作の舞台は架空の玄幻世界だが、中国神話の要素もふんだんに盛り込まれている。

　特に封神演義が好きな方は楽しめるかも。

　神々と妖魔によるアクションシーンは特にかっこいい。

　余談だが本作の制作会社は中国でも有数の2Dアニメーション会社、洛水花原。

　高画質で迫力のあるアクションシーンが売りで、本エッセイでも紹介した『龙族』や『狐妖小红娘』といった大ヒット作を数々生み出している。

　作画クオリティは折り紙付き。

　ただ、中国神話に関する固有名詞が多く登場するので、中国語初心者にはあまりおすすめできない。

　推しポイント③：ドラマが中国全土で大ヒット！　日本語でも見れるだって！？

　本作、実はアニメよりもドラマのほうが有名だったりする。

　去年中国でメガヒットを記録し、日本にも『蒼蘭訣（そうらんけつ）　～エターナル・ラブ～』という名前で上陸している。

　調べたところ、WOWOWオンデマンドなら日本語字幕で見れるらしい。

　アニメとドラマは内容がかなり違っているので、ドラマもアニメもそれぞれ楽しむことができる。

　ここでちょっとだけ小ネタをご紹介。

　実写ドラマ版の主演は虞书欣、王鹤棣。

　日本語版で見れる。

　内容はアニメとまったく違うので、別物として見るのが良さそう。

　ツンデレ魔王とポンコツ花精のドタバタラブコメ（？）、ぜひおすすめしたい一作です！

　（記：2023/04/30）