第36話 キャンプミーティング
閑話休題
怜雄の話はいったん打ち切り、本来の議題について話し合うことに。
生徒会の仕事ではないが、会長不在の為、一応副会長の俺と久美が司会をする。
「じゃ、会長は遅れるという話だから、明後日のキャンプについて説明するぞ。
キャンプ場はここから少し離れいる亀山ダムの近くにあるバンガロー付きの高規格キャンプ場だ。川の上流部だから川遊びも出来るぞ。キャンプ初心者もいるから、今回はバンガローに泊まる。風呂も近くに温泉があるし、電気も通っているから安心だ。
メインはバーベキューで食材は俺が担当するもの以外は、キャンプマニアの神田先生にお任せしている。
(余計なものは買わないように念押ししておいたし大丈夫だろう)
清算については、各自キャンプ場利用料金と飲み物を含む食事代ということで、現地にて支払い。この辺は会計が仕切ってほしい。一人の金額は大体このくらいの金額になると思うぞ。当日の目安にしてほしい。」
そう言い、キャンプ場のパンフと食事代関係の概算書をみんなに見せ、確認してもらう。そんなに高くないから逆に驚いているみたいだ。
支払いについて会計の仁が声を掛けてくれる。
「俺の方で徴収して先生に支払いする形でいいな?」
「それでOKだ。施設利用料は、校長先生がまとめて清算してくれるから領収書を預かってくれ。先生方の分を除いた額を俺たちの人数で割ることにする。バンガローは男女で1棟づつ借りるから今回は男女平等の支払額としようとおもう。」
「次は私からね。バイク班のうち、萌香と真弓はそれぞれの彼氏とタンデムとなるのは問題ないわね?私と仁はそれぞれのバイクで行くとして、二組の荷物は神田先生にお願いしてあるわ。先生の車、ハイエースだから問題ないって言ってたわよ。健吾先輩もバイクで行くのかしら?」
「ああ、俺も今回はバイクだな。俺のは
先輩が(・∀・)ニヤニヤしながらながら聡汰をみる。
「はは、それは困ります。真弓は俺の後ろに乗せますよ。先輩は自分の彼女を誘ったらどうです?しかし、そうなると神田先生と石井先生が車か。校長先生も車で来るみたいだけど?」
聡汰から質問が入る。
「そうだな、基本的に俺たちが暴走しないように、付き添ってくれることになっている。(ま、主に萌の監視かな?)俺たちは原則として、神田先生(石井先生同乗)と校長先生の車に挟まれる形で移動することになる。コンボイ形式みたいな感じだな。だから大きな荷物は先生方が現地まで運んでくれるそうだ。」
仁が補足する。
何やら気になることも言っていた気が?
「んじゃ、みんな準備も含めて、買い物とかは済んだのか?」
俺は皆に確認する。
「俺は明日、真弓(と健吾先輩)と買いに行くことになってるよ。」
聡汰は、少し悲しげに言う。二人きりではないのだろう。
たぶん先輩もついていくんだろうな…。
もしかしたら、先輩の彼女もいっしょなのかな?
それなら真弓もOKしそうだ。
仁の方はというと、
「俺は、久美と明日行くことになってるぞ。な?」
「うん。仁君この間のモールに買い物に行こうと思ってるの。」
こっちは二人きりで行くのか。
「久美。悪いんだけど、萌香は急に参加になったから、女性目線で用意するものとかあれば教えてあげてほしいんだ。足りなければ、明日バイトの前に階に行く時間があるから。」
萌香が不思議そうな顔して俺を見ている。
「あれ?萌君は明日シフトに入ってるんですか?私は休みでしたよ?」
「あぁ、明日はバイトの後、キャンプ料理の下ごしらえの為にキッチンを貸してもらうことになってるんだよ。家じゃ、ブロック肉の処理とか無理だから。オーナーに手伝ってもらうんだ。」
「そうだったんですか…。私もお手伝いしたかったです。」
「ごめんな。当日は、大きめの肉を焼くからその時に手伝ってよ。初めてのツーリングキャンプだから準備もしっかりな。」
「はい!頑張りますね!!では、久美と真弓に用意するもののこと聞いてきます!」
芹沢先輩が来る前に話し合いは終わりそうだった。
…のだが、
「…悪い…。キャンプなんだけど、もう一人追加してもいいかな?」
怜雄がバツが悪そうに言ってきた。
「さっき話してた梨花とチャットしてたんだけどな、キャンプのこと伝えたら自分も参加したいって。もちろん彼女のことは、俺が責任もって連れて行くし、お金も俺が支払うから…ダメかな?」
なんでまたそんな急に。
たぶんバンガローは大きめなところを借りているから問題ないだろうが、先生に確認しなくてはいけないと怜雄に説明すると。
「もち、俺から先生と会長には説明するよ。許可が取れるように交渉する。」
ならば、構わないだろう。
「仁、会計的に問題はあるか?」
「飲食の概算に1人分足すだけだろ?問題ないだろ。足が出ても怜雄が払うっていうことだし。施設利用料も変わらないからあとは、入場料だけか。」
仁は、金のことには割とシビアだからな。仁が言うなら問題ないか。
「久美、女性陣的に問題あるか?」
「うちらは構わないわよ。真弓は面識あるみたいだし。1年生でこの中に飛び込もうなんて度胸あるじゃない。気に入ったわ。みんなも大丈夫よね?姉さんも大丈夫だと思うわ」
「私は大丈夫ですよ。怜雄君の想い人がどんな方なのか気になりますし。」
「私も問題ないわ。梨花ちゃんのことは知ってるし。彼女も心配なのかもね。今回のキャンプは、女性も参加してるから。」
あっ、そういうことか!
「んじゃ、頑張れよ怜雄!」
「応!ありがとう!萌、さすが親友だ!」
「え?いつから親友に?」
俺が聞き返すと
「お前、そういうところだからな!少なくとも俺は仁と聡汰と萌は親友だと思っているぞ。」
「「「え?マジで?」」」
「お前らぁ!泣いていいですか??」
「悪い、揶揄い概があるよ。ホント。」
「「だな。」」
「俺は仲間外れか…。」
「健吾先輩のことは尊敬しておりますとも!」
「はは、調子がいいなお前は。聡汰も少し見習え、お前は少し真面目過ぎるからな。」
「え?俺、こんな風になってもいいんですか?」
「違う、社交性という意味だ。いつまでも俺にまで遠慮しているようでは、ラスボスであるうちの親父から真弓を奪えんぞ。俺にもそのくらい砕けた態度で接してくれても構わん。」
「…あ、そういうことですか。遠慮しているつもりはありませんが心得ました。ご助言ありがとうございます。」
「そういうところだ。変なところで硬すぎるんだよ、お前は。」
解散したあと、怜雄から先生方に説明し橘さんの参加が決まったと生徒会のグループチャットに連絡が入った。
そして、いつの間にか彼女もグループチャットに参加しており、彼女からは
【当日はご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。】
と、ギャルとは思えないしっかりとしたメッセージが入っていた。
また、料金等の確認もあった。
ギャルって意外としっかりしてるんだな(失礼)と認識を改めた俺であった。
生徒会での確認も済んだので、聡汰を連れて道場に向かった。
萌香は、久美や真弓、芹沢先輩も合流して女子会だそうだ。
明日は午前中から萌香の買い物に付き合うことになるから、今日は道場でしっかり汗を流すことにしよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます