第2話「魔女の薬」

香和ちゃんはその日、学校から帰ると お母さんに聞いてみました

「ねぇねぇ、お母さん」

「ん?」

「今日、理愛ちゃんに いい匂い って言われたー。

お花みたいな匂いなんだって!」

「え?」

「なんでお花の匂いがするのかなぁ?わたし、お花じゃないのに!」

「何のこと言ってるかしら?

それより、早くお風呂に入っちゃいなさい」

「はぁい」


香和ちゃんは、お風呂に入ろうと、服をぜんぶ脱ぎました

シャツもパンツもくつ下も、ぜーんぶ洗濯機に入れます


お風呂から出ると、お母さんが洗濯をし始めました

洗濯機にタオルも入れて、洗剤を入れて・・

「あ・・香和ー。

もしかして、理愛ちゃんが言ってたお花の匂いって、うちの柔軟剤の匂いのことかも?」

「じゅーなんざい?」

柔軟剤のボトルには、お花の絵が描いてあります

「この匂いのことね、きっと」

「じゅーなんざいって、なに?」

「洗濯する時に、いい匂いの柔軟剤を入れると、シャツもパンツもクツ下も、ぜーんぶ、ふわふわでいい匂いになるのよ」

お母さんがお花の絵のボトルから、ピンクの液体をトロリと洗濯機に入れました

「香和がお花の匂いなのは、毎日お母さんがこれを洗濯機に入れてるからよ」

「じゅーなんざい・・魔女の薬みたい!」

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