02 山里に

 山里に 雪こそ深く 奈利(なり)に化尼(けに) 罹凪ぐ花布底 消ゆ二都座真夜

 やまさとに ゆきこそふかく なりにけ(に りなぐかふそこ きゆにとざまや)


  ※ 罹凪ぐ花布底/理無く家譜底

    なり【奈利】地獄。奈落 (ならく) 。

    け‐に【化尼】仏・菩薩(ぼさつ)などが尼の姿になってこの世に現れたもの。

    か‐ふ【花布】1 細かい花模様を染織したり、刺繍(ししゅう)したりした布。印花布。      2 更紗(サラサ)の異称。

    か‐ふ【家譜】その家の系譜。一家の系図。

 

 やまさとに-ゆきこそふかく-なりにけれ-とはてもとしの-くれにけるかな

  左京大夫八条山庄障子絵合

  寛徳二年十月-天喜二年七月(1045年11月-1054年8月)

  作品三十四

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