異世界ハクスラハンター生活・スキルで成り上がり学園編

〇ニスの娼忍

第1章 故郷の村編

第1話

「ここは?」


死んだはずの『俺』が目を開けると、そこは真っ白な空間だった。目の前には、真っ白な人型の塊……。


「ああ、これだと分からないな……お前の……これならどうだ?少しは話しかけやすくなったか?」


目の前の塊が、美しいトーガを身につけた女性に変わる。『俺』に対して、面白そうなアニメを見る、少女のような表情を浮かべていた。


「さて、お前は死んだ。そこで私はお前に転生の機会を与えたいと思う」


にこりと、アルカイックな笑みを浮かべて神と名乗ったそれは提案した。


『俺』は質問をしようとして……その声を遮る様に、彼女は話し出した。


「世界は、お前達の言う剣と魔法のファンタジー世界。やって欲しい事は、世界に名を刻む事。報酬は後払い、つまりどれだけの功績を上げたかで評価する。それ如何で神になる事も可能だし、地球での人生を無限にやり直す事もできる」


つまり、何も成せないまま死ねば何もないまま終わるということか。


「その通り。だがお前には力がない。前払いとして、ある程度能力を与える。鍛えれば天に届く程のものを」


『俺』はそれを聞いて、頷いた。

死後、もといこれを断った後にどうなるかが怖かったからでもあるし、自らがそういった異世界転生のような……非日常に憧れていたのもある。

それに願いが叶い放題!何でもと言った!何でもだ!ランプの魔神は3つまでしか願いを叶えられないが、なんでも選び放題。自分の好きなシチュエーションで、頑張った分報酬が貰える。とてもいい……!


「そういった、非日常に憧れる人間を選んだからというのもある。そして最低限挫折しないだけの心を持つ者を」


彼女は『俺』の思考を読み、そして続けた。


「さて、最後に。細かい目標や成長の方法はその内分かる様になっているが、お前が転生者である事、そして最初に授けたスキルについては口外しない事だ、その時点で報酬はなくなり、お前は死ぬ。どうなるかは育っていくうちに分かるだろう」


「では、良い人生を。神々の遊戯場たる世界で、お前が名を上げる事を期待している」


そうして、『俺』は生まれ変わる。

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