第27話 はぁ?ふざけんなこの世の女は全部俺のだ
昼、俺たちが学校の食堂で飯を食っていると――。
あのドマスとかいう男が、ニヤニヤ顔でこちらに話しかけてきた。
「おやおや、これはFクラスの落ちこぼれ生徒じゃないか。なんで落ちこぼれのレルギアくんがAクラスの女子たちとご飯を食べているのだろうかな?」
「うるせえ黙れ」
クラスは制服のネクタイの色で一目瞭然で分かるようになっている。
なので俺のテーブルでは俺だけが緑色のネクタイで、目立ってしまっているのは事実。
だが、そもそも俺がFクラスなんかになったのはこのドマス野郎のせいだ。
しらじらしい言い方で腹が立つぜ。
「なあレルギアくん、僕と決闘しないか?」
「はぁ……?」
またこいつはおかしなことを言い出した。
これ以上突っかかってこられるのは面倒なんだがなぁ。
「僕が勝ったら、ライゼさんからは手を引くんだ!」
「はぁ? ふざけんなこの世の女は全部俺のだ」
「っく……野蛮な。だが、勝てばいいだけの話だろ? 僕に負けるのが怖いのか?」
「まさか」
なんだこいつやけに煽ってくるな。
そこまで俺と決闘したいのか。
ということは、なにか勝つ算段でもあるのだろうか。
まさか俺の魔力を目の前にして、実力差がわからないほどのバカでもあるまいし。
「じゃあ俺が勝ったらなにをくれるんだ? 俺にメリットがないだろう」
「そうだな、僕とクラスを入れ替えてやってもいい。それなら君はAクラスに上がれて満足だろう?」
「大きく出たな……。本当にいいのか? お前、負けるぞ?」
「僕は絶対に負けない。絶対にだ」
「そうか……」
まあその条件であれば、決闘くらいしてやってもいいか。
俺もはやくAクラスに上がれるのはうれしい。
やっぱりライゼとはちょっとでもいっしょにいたいしな。
それに、このクソ野郎がライゼと同じクラスなの気に食わん。
こいつをFクラスに引きずりおろせるなら、一石二鳥だ。
「あ、待て。それともう一つ条件がある。そっちから決闘を申し込んできてるんだ。このくらい受け入れろよな」
「ん? なんだ? 言ってみろ。どうせ僕が勝つんだから、なんでもいいぞ。まあ、王位を譲れとかはさすがにお父様の権限だから無理だけどな……」
「ふん、お前の国の間抜けな王座さんぞいらん。俺の出す条件、それは――」
俺は、ドマスの後ろでびくびくしている例の奴隷の少女を指さした。
「俺がかったら、ついでにそこの奴隷も解放しろ」
「は……? そんなのでいいのか?」
「ああ、いいか?」
「もちろんだ。こんな不細工で使えない奴隷くらい、いくらでもくれてやるよ」
「よし」
ということで、俺たちは決闘をすることになった。
ドマスはクラスチェンジと奴隷を賭けて、俺はライゼを賭けてだ。
まあ、億が一にも俺が負けることはない。
それに負けたとしても、ライゼもコイツのこと嫌いだろうし、意味はないんだけどな……。
まったく、哀れな奴だ……。
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