(二)-14

 コイツは自己主張らしきものを大声でベラベラと得々と自信満々の得意満面のドヤ顔でしゃべっていたようではあった。しかしその言葉は私の耳には全く届かず、私は今後の仕事に支障が出そうだと考えて、ため息がのどをすり抜けて口腔内に漏れ出しそうな感じだった。それを何とか我慢しながら勘弁して欲しいなどと考えていると、次に呼ばれる名前をうっかり聞き逃すところであった。

 嵐山の野太い声で呼ばれたその名は「玉淀コウジ」だった。なんと、出席番号では下赤塚フジオのすぐ後ろにいたのだった!


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る