第10話 パスワードを教えてください

 今年も順調にたくさん来てますよ。


『パスワードを教えてください』


 メール。


 初期パスワードならいざ知らず、己の設定したパスワードなど、我らが知るかっ!


 って、イチイチ思います。


 知ってると思う方が、どうかしてる。

 そんなの怖すぎるって、なんで思わないんだろうか。

 何度も言うけど、パスワードって、他人に知られちゃダメなやつだからねっ?!

 いいオトナなんだから、甘ったれないでちゃんと自分で管理してっ!


 J会社の使用している年末調整システムは、


 ●ログインパスワード

 ●印刷書類(ダウンロード書類)用パスワード


 の2つがあって、初期設定では、印刷書類(ダウンロード書類)用パスワードは、設定していないのです。

 別に、このままパスワード設定無しでも、問題なし。

 よって、これにパスワードがかかってしまっているということは、100%自分で設定しているということ。

 これはもう、疑いようのない事実。

 なので。


 初期設定ではパスワードは設定されていません。ご自身でパスワードを設定されたものと思いますので、ご確認ください。


 ってお伝えすると。


『勝手にパスワードがかかったんです』


 と。


 ・・・・勝手にパスワードがかかるシステムが、どこにあるんじゃいっ!


 ほんとにさぁ。

 どこまで自分の非(パスワード忘れ)を認めないのよ?

 おまけに。

 そんな輩がわんさかいるだろうことなんてお見通しだから、ログインさえできれば、印刷書類(ダウンロード書類)用パスワードなんて、いくらでも再設定可能なシステムなのですよ、J会社の年末調整システムって!

 その再設定方法だって、情報掲示板にちゃんと書いてあるっていうのに。


 それでは、ご自身で再度パスワードを設定してください。


 って返信すると。


『どうやってやるんですか?』


 と。


 ・・・・わたし、PCを初めて触る子供かご年配の方の指導員なの?

 そんな仕事請け負ってないけど。

 おまけに、照会してきた社員、わたしより若いけど。


 やり方が記載されている情報掲示板を案内しても、また照会が入りそうだったので。

 結局そこに乗っている操作方法を全部コピーして、メールに貼り付けて返信してやった。



 何度も言うけど、J会社の社員て、地頭はいいはずなんですよ?

 出身大学も、有名大学ばかりですからね。

 入社試験も、めっちゃ難しいし。

 少なくとも、勉強はできるはずだし、試験でよい点数を取るくらいには、記憶力もあるはず。

 なのに、なんでだろうねぇ・・・・もう、ため息しか出てこない。

 その、良いはずの地頭を、何故に少しでも使おうとしないのかね?

 それともなにかね?


 俺のこの頭は、こんなくだらない事に使うためにあるんじゃない。だから、分からないことは、お前らが全部調べろ。なんなら俺の代わりにやれ。


 くらいに思っていらっしゃるのでしょうか・・・・

(こんなことを思うくらいには、我らこの時期、みんな心がささくれ立ってやさぐれてしまっています・・・・)


 ・・・・子供より手がかかるわっ、まったくっ!

 お前の年末調整など、誰がするかっ!

 自力でやりやがれっ!

 そんで。

 やり方くらい、少しは自分で調べやがれっ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る