第1話 どうしてもログインできません
J会社の年末調整のシステムは、毎年パスワードが初期化される仕組み。
なので、昨年のパスワードを覚えておく必要はない。
・・・・覚えておける人なんて、ほんと一握りだろうからな。
ログインしたとたんにパスワード忘れる人だって、山ほどいるのだから。
という訳で。
電子申告の受付開始日には、
●申告先のURL
●システムのユーザーID
●初期パスワード
を、各人にメールで連絡している。
システムのユーザーIDは、J会社の場合は社員コードなので、これはさすがに間違える人はいないだろう。
と、思いたい。
そして、初期パスワード。
これは、そのものずばりをお伝えする訳ではなく、
〇〇のあとに★★を半角で入力してください
という具合に連絡している。
〇〇も★★も、本人であれば間違う事のないものであるし、確認方法も記載している。
なのに。
毎年、この照会が入る・・・・
『どうしても、ログインできないんです・・・・』
まぁ、原因の多くは、半角と全角の誤り。
全部半角です。記号も半角で入力していますか?記号を全角で入れる方が多いので、お手数ですが再度お試しください。
と返信すると、たいていは解消する。
ただ。
今年は照会メールに返信したあと、電話をしてきた方がいた。
「本当に、お手数をおかけして申し訳ないのですが・・・・どうしても、ログインできないんです。やり方が悪いのですかねぇ?何度も申し訳ありません・・・・」
と。
本当に、申し訳なさそうな声で。
おそらく、年配の方。
うん。
確かに、そのものズバリのパスワードじゃないから、PC操作に不慣れな人だと難しいよね・・・・
なんて。
こちらも人間なので、思わず思ってしまう。
「では、本当はメールでパスワードお伝えするのはNGなのですが、間違いなくログインできることを確認してから、メールでIDとパスワード、ご連絡しますね」
と答えて切電し、間違いなくログインできることを確認してから、IDとパスワードをメールでご連絡した。
当人のメールアドレスであることは疑いようもない事実なので、パスワードをメールで連絡したところで、何の問題も無いだろうと判断して。
しかし。
このシステム、なんとかならんかな。
ひとりひとりに、そのものスバリのパスワードを、送ってさえあげれば、こんな照会は無くなるはずなのに。
相変わらず、使えないシステムだと思う、今日この頃。
(J会社のシステムは、おしなべてポンコツ揃いだというのが、実務を請け負っている我らの率直な思いだったりする)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます