第43話 神に選ばれた戦士
『如鬼……あなたの戦いは終わってはいない……』
それは優しくも闘争心がある複雑な声。
「私はまだ戦わなければならない。なのに、なのに体が動かないんです」
『大丈夫です………神に選ばれたあなたには力を与えられる資格があります………人間でありながらこの戦いを生き抜いた………あの堕天使に立ち向かっていく姿………しっかり見ていましたよ』
夏華はその声に対して戦う意思を試されている気がすると感じた。
これが力を授かれし戦士に成る資格を与えられると言うことなのだろう。
ゴアドや色んな戦士が歩んだ道、自分も行く道であると分かった。
「私は終われない。みんなを守るために、堕天使を全滅するために、戦い続けたいんです」
『分かりました………あなたには天使として授かった力を授けます………必ずやこの力を平和のために使ってくださいね』
声はそう言って彼女から離れて行く。
そして何やら急激に眠気が冴えて行った。
気がつくとそこはベッドの上に寝ていた。
「そうか、私ダークエンジェルにやられたんだ」
記憶が曖昧で、思い出せるのは天使に力を与えられる夢を見たこと。
本当に力を与えられたのか疑いつつ、ベッドから降りる。
すると突然部屋の窓を
「大丈夫ですか!?」
彼女の声を聞き、装着者は首をこちらに向ける。
「逃げろ………俺達が勝てる相手じゃない………」
二言を言い終えた後、戦士はその場で倒れた。
「勝てない? それでも私は抗ってみせる!」
戦士の助言に逆に戦うための火をたぎらせ両手を拳に変え握り締めると、何やら両手首に違和感を感じる。
「これは、変身するための腕輪」
これであの夢のことが確信に変わった。
自分は授かれし戦士なんだと。
その時だった。
殺気を感じた彼女は堕天使が侵入することを予測し、その場でヘソの辺りで両腕をクロスする。
「変身!」
掛け声と同時に、アームド・ダークエンジェルが駆け足で入って来る。
如鬼の体は光に包まれ、姿を変えて行く。
黒い皮膚に青い重装甲、1本角とオレンジ色に輝く複眼、背中の白き翼が体内に収納されまるで鎧武者と鬼を
一瞬流れ込む戦い方の説明。
理解させられる強制感に戸惑いつつ、言う通り次元の裂け目から日本刀を思わせる黒き刀身を持った武器〈クロキライジン〉と同じく日本刀を模した白き刀身を持った武器〈シロキフウジン〉を取り出した。
「ホォー。ここにも授かれし戦士がいたのか。早速だが始末させてもらう」
ビームソードを構え直し突っ込んで行く堕天使、すると如鬼は2本の刀を強く握り締め、バツの字斬りを繰り出した。
バツの字に両断されたその体は一瞬のうちに溶けて行く。
それを見た如鬼はあまりの斬れ味と己の力に、これなら勝てると確信した。
「この戦いを終わらせる。絶対に」
決意を硬め、格納していた翼を広げる。
窓から飛び立つその姿はまさに、人を守るために戦う天使だった。
アームド・ダークエンジェルが人を殺害する中、舞い降りた如鬼。
彼女に気づいた堕天使は死体を投げ飛ばし、こちらを見つめて来た。
「お前も授かれし戦士か?」
「そうだと言ったら、あなた達は無益な戦いをやめますか?」
質問に対して質問で返す鎧の戦士に、鼻で笑いながらビームソードを構え直す。
「無益? お前はそう思うか? フハハハハ! 生きる価値のない人間が言えたことか! お前達は生きる価値のある生き物を喰らい、改造し、支配してきた! 地球に害をもたらす存在、それを除去することで本来の生態系を取り戻せるのだ!」
「なるほど。分かりきったことでしたが、平和的に終わりませんよね」
如鬼は2本の刀を強く握り締め、地面を踏みしめ相手に向かって一気に加速する。
〈シロキフウジン〉に風が、〈クロキライジン〉に電撃が宿ると同時にさらに速度が増す。
(なんだ!? まさか我々を潰すために神が今まで以上の授かれし戦士を生み出したと言うのか!? だが!)
速度が上がろうと、堕天使には見えている。
真っ直ぐ突撃して来ると予想し、ビームソードをレイピアの如く貫きにかかる。
しかし予想外にも如鬼は高く飛び上がり、2本の刀を背中に狙いをつけ空中で振り返りながら投げつけた。
「ガハッ!?」
刃が装甲、肉体を貫き叫び声を上げ爆散させた。
〈クロキライジン〉と〈シロキフウジン〉を回収し、すぐさま翼を出現させる。
そして高速とも言える速さで空を飛び、光炎達がいるアパート近くに急ぐのだった。
一方その頃
スーと
「バッテリーはフル充電できてないから戦えるのは20分よ。武器も〈サイクロプスハント改〉しかなかったからもし訳ないけど」
「とんでもない。僕達は必ず戻って来ます。そうですよねスー」
鈴静の発言にスーは意外そうにしながらも、返答する言葉を瞬時に計算した。
「うん、絶対に鈴静を倒させはしないよ」
「ありがとうございます。じゃあ、行ってきますね」
白バイに乗り込み、
ヒサ達が待つ戦場に向けて走らせる。
サイレンを鳴らしながら避難中の車をすり抜けていくのだった。
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