第9話 残りし者
暴れ出す クラーケンは立ち向かう剣士たちをなぎ倒す。
「グゴゴ!クラークラークラララ!!!」
うわぁぁぁ
逃げろ! 戦え!
バシン! バシン!
うわぁぁぁ
逃げ惑う兵士たちのなか一人の男が現れた。
「そこまでだ! ニンニクは 世界を制する! とう!」
感情がマックスになったトシユキはニンニクマンへと姿を変えるのだ。
突進するニンニクマンに 触手をムチが襲い掛かるが逆に触手を掴んでクラーケンをひっくり返した。
「グゴゴ!クラークラークラララ!!!」
ドッスン!!!
逃げ惑う人たちも足を止めて、ニンニクマンを見守った。
運命は 球根に託された。
「グゴゴ!クラークラークラララ!!!」
暴れ出すクラーケン
見境もなく 触手を伸ばしてガレキ・人・剣などなど つかめる物を捕まえて
振り回し始めた。
破壊の化け物と化したクラーケンにアケミが捕まる。
「キャー」
「アケミ 助ける。 ファイアボール!!ファイアボール!!」
ドッカン!
ファイアボールを撃ち込まれてはクラーケンもたまらない。
アケミを目の前に突き出して 盾にする。
攻撃を封じられた リーファもクラーケンの触手にからめとられてしまった。
「キャー! 放せ」
ドッスン!
ニンニクマンは リーファが捕まっている触手にタックルをする。
触手は弾き飛ばされて リーファは壁に叩きつけられた。
そのまま触手を引きちぎろうとニンニクマンは 引っ張るが3本の触手がニンニクマンの動きを縛り
ニンニクマンもからめとられてしまう。
「グゴゴ!クラークラークラララ!!!」
クラーケンは 触手を締め上げる。
アケミのボディーのラインを這うように筋肉で出来た触手は収縮した。
「アン・・」
その時 同時に締め上げられていたニンニクマンのお尻が口を開いた。
「
会場内にガスが充満していく。
※スキル:気絶快楽を付与しました
※スキル:感情暴走を付与しました。
※スキル:バーサーカーを付与しました。
※スキル:混乱を付与しました。
会場は大混乱。
錯乱する人たち。
アケミは笑い出して「気絶 きもてぃ~」といいだしヨダレを垂れてみずから気を失た。
クラーケンは 混乱の効果が付与されたようでメリーゴーランドのように触手を使って回転し始めた。
グルグル グルグル
回転を続けるクラーケンの前にローブの剣士が現れた。
ミリーはローブをマントのように投げると二刀流の剣を引き抜く
水着の様な皮の鎧から見える血色がよくなった肌は赤く色づきバーサーカーだ。
「切り刻んでやる!ふふふ ははは 見よ!これがスケルトン流カオスブレード!!! 」
スパン! スパン スパン!!
居合と共に一瞬でクラーケンの足を切り刻んでしまった。
ドッスン!!!!!!!
倒れこむクラーケン
リーファの声が聞こえる
「殺す!殺す!殺す! イカの男は私が許さない」落下の威力の合わさった 強力な一撃
「ファイアボール!!!!!」
さらに オナラに引火して大爆発を起こした。
ドッカン!
クラーケンは 丸焦げになり香ばしい香りを会場に立ち込めさせると気絶していたはずのハゲた男が目を覚ました。
「お・・俺は一体何をしていたんだ?」
ハゲは 生きているようだ。
それにしても会場は クラーケン仕業もあってボロボロだ。
「え~ イカ~ いか~ 焼きイカはいらんかねぇ?」
ハトが飛んできてイカをつついたと思えば
焼きイカを売るものも現れはじめた。
まったりとした時間が流れて もう試験なんて雰囲気じゃない。
リーファが俺の背中に触ると何かを引き抜く
プチン!
「いて!」
「吹き矢の針に 毒は塗られていない。大丈夫。トシユキの傷の手当 私する」
手当を受け終わる事には夕方になり 建物の奥から兵士長が現れた。
会場を見渡すなりの絶句。
破壊された会場にけが人だらけの様子を見て頭を抱えているようだった。
「お前たち・・ いったい何をやって会場をボロボロにしたんだ?
だが まあいいだろう。
俺が与えた課題は主体的な行動を見る課題だ。
一人ではできない方法を考えて選抜に勝つことが出来たものは合格とする予定だったが
会場の壊れ具合を見ても今回は参加者が一丸となって何かに取り組んだことは明白だ。
今回に限り会場に残っているお前たちを2次試験に進めてやろうじゃないか?どうだ 嬉しいだろう?」
ざわざわ ざわざわ
会場から罵声が飛ぶ
冗談じゃない。
こんな試験は もうごめんだぁ!
俺達は 焼きイカ屋になるんだ・・・
・・・ほとんどの兵士たちが逃げてしまった。
兵士長はあごひげをさする。
「残ったのは10人か? よし!2次選考をやっても仕方がない。お前たちは全員 合格とする!以上」
兵士長と一緒に来た商人が皮の袋を持っていて、俺達に手渡していった。
「これは支度金です。明日は試験がなくなりましたのでお休みとなります。旅の支度を整えて明後日に出発しますので宿が決まったら私に教えて下さい。」
チャリン チャリン・・
袋は意外と詰まってるぞ
10人全員に袋がいきわたった。
なんと ハゲた男も残ったようで俺たち以外に残った連中はハゲ男とつるんでいた奴らだ。
「ハゲ男 お前も残ったのか?」
「ハゲ男じゃない。 俺の名前はバル・フランソーワーズ・ジャンヌ・・5世だ。名家出身だ がははは
俺は夢の中で見ていたんだ。
リーファさんが俺を助けるために怪物に立ち向かいファイアボールを放つところをな
ああ 冷たく見えても本当は心優しいリーファさん。
それに比べて トシユキといったな。お前にリーファさんは相応しくないのだ。別れろ!」
長い名前だ。バルだな バルでいいだろ?
なんで、親の七光りに飽き足らず爺さんやひい爺さんの名前までくっつけてるんだ?
それで没落しているにもかかわらずプライドばっかり高くて
希少種族のエルフで童貞捨てたいとか考えている変態だろ?
「残念だったな。没落貴族! リーファは俺のことが好きなんだ。相応しいかどうかじゃない」
リーファは両手を口元に添えた
エルフの白い肌が花のようにほのかなピンク色に染まった
「私 うれしい。。。」
バルはコッケイな顔を浮かべた。
なんでそんなに悲しそうな顔をしているんだ?
「リーファさん。あなたは 自分の魅力に気づいていないのです。
この見た目も言動もただのむっつりスケベのどこがいいのですか?
こんな男とだけは 付き合わせるわけにはいきません。
こうなれば名家の名に懸けて阻止してみせます」
こうして俺たちは 兵士採用試験に合格し一時の休日を楽しむこととなった。
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