50世紀ぶりの大魔王

涼波

プロローグ

ある1人の男がいた。


その男は魔王であり世界の支配者である。

一人で戦争を終わられた悪魔と呼ばれている

敵意をも向けたらそれは終わりを告げる事となる。

次元を切り裂いても奴が殺される真実には届かない。

神すらも恐れる存在。


その男の名は エルダー・バレストラ


「なあ、聞きたいのだが貴様ら人間は我ら魔人族の事をどう思っているのだ?」


この魔王城バレストラの最上階、玉座の間に、魔王エルは言った。


「そんなの決まってる、憎いに決まってる!」

「何故お前はそこまで我ら魔人族が憎いのだ?」

「貴方が魔王になる前、僕は貴方の父親に両親を殺され、町の人々をも滅ぼし、人間族は絶滅まで追い込まれた。」


勇者アランが言う


「それは貴様ら人間が撒いた種のせいだろう?500年前に起きたことを今更掘り返し、魔人族を八つ裂きにしようとしたのだろう?」


「く…だが!」

「いい加減自分が正しくないと言うことを認めたらどうだ?」

「……」


勇者は黙ってしまった。

このままでは奴を綺麗さっぱり殺すことができないじゃないか。

仕方ない。


「勇者よ、転生しろ。」

「は?」

「今の貴様には迷いがある、迷いがある状態で戦っても本気を出さないであろう?」

「な、何故転生をしなければならない?迷い?意味がわからない、お前は頭がおかしいのか?」

「まず、この戦争をしてること自体が頭がおかしい。あと、俺は未来が気になる」

「み、未来?」

「そうだ、平和になった世界を見てみたいんだ、勇者、貴様とな」

「俺は平和になった世界を見てからお前を殺したい」

「…わかった転生するさ」

「…あっさり承諾するんだな、お前も意外に馬鹿なのか?」

「うるせぇなバカ魔王、俺も未来を見たくなったんだ。こんなクソみたいな戦争なんてない、平和な世界を。」


「流石勇者だ!早速転生の準備を始めよう」

「時代は…50世紀先でいいか?」

「自由にしろ」


勇者からの承諾が出たのでエルは頭の中に転生術式を想像し、『具現魔法』で脳内の術式を地面に描いた。


「さぁ勇者よ、共に行こうじゃないか。族が違くとも我らは永遠のライバルだ」

「恥ずかしいこと言うな魔王」



そして2人は術式の中に飛び込み、消え去っていった…。

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