第11話 後輩=ジョセフの妹

「やっぱり、唯人先輩ですよね!」

「久しぶり、由奈」


この子の名前は斎川由奈(さいかわゆな)。

俺の中学時代の後輩だ。

人懐っこい性格で、特に俺に対しては先輩の枠からはみ出ていると思うほど懐いている。

整った顔立ちをしていて、スタイル抜群。

出るところは天音よりも出ている。

すなわち巨峰だ。


「でも先輩なんでお兄ちゃんと一緒にいるんですか?」

由奈が痛いところを突いてきた。

「それはまあ、缶蹴りしてたんだよ」

「え?この年で缶蹴り‥‥まさか!お兄ちゃん私の先輩に迷惑かけたんでしょ!」

「いや、別にそんなことは‥「そうだ!」」


ジョセフが割って入ってきた。

こいつは俺との勝負を通して誠実になったらしい。


「俺が唯人に缶蹴りを申し込んだんだ」

「もうっ!お兄ちゃん最近はいっつも人に迷惑かけてばっかり!遂には唯人先輩にまで迷惑かけるなんて!」

「ごめんな、由奈。兄ちゃん、今の彼女が出来てから彼女がヤンチャな男が好きって聞いて、少しでも彼女の好みに近い男になろうとしたんだ」


えっ!?ジョセフ可愛いな!?

だから勝負も缶蹴りだったのか、納得した。


「はあ、唯人先輩。お兄ちゃん、なにかに一生懸命になると少し度が過ぎてしまう性格なんです。なので唯人先輩には本当にご迷惑をかけたみたいで、どうお詫びしたらいいか‥‥」

「いやっ!マジで大丈夫だから!」

「それでは私の気が済みません!あっ!じゃあ明日、昼休みにお弁当作って来ます!」

「いやあ、それはありがたいけど‥‥‥ん?」


なんで由奈は昼休みとか弁当とか‥‥まさか!


「もしかして由奈、今日高校の始業式だったりした?」

「はい!私、今年度からまた、先輩の後輩として華斗咲学園でお世話になります!」


まさかの急展開。

缶蹴り勝負をした不良の妹が中学時代の後輩で、その後輩が今日からまた俺の後輩になるとは‥‥‥。


そんなこんなで、俺とジョセフはLIMEを交換し、打ち解けたところでお開きとなった。


それにしても、明日、久しぶりに由奈の弁当が食べられるのか‥‥。


今日は楽しみすぎて寝れるか不安だな。

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