ある日

 ある日と言っていいのかな。あなたはここにはいてはいけないって、──観覧車のようにお日さまが回る。その日ざしはゆらめく界隈ではなくって、オレンジ色に閉ざされた喫茶店のなかに。ええ、想い出というものは、想い出よ? はかないですとか、はかないだなんて想いたくない、そんな重さの関係ない、軽さでもない、想い出よ? リズムがめぐる。あたしが思い出す、時。時間、音楽。奏でていたの? 奏でられてて……ひたすらに、ええ。生きていたわ。──そんな、yes, ma'am? 冬。いいえ、夏? 想い出せない、ただオレンジ色の。わたしはそのなかに、あ。ちがうわ?

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