第19話 ダンジョンポイント②(凌辱回)
「午後からはどうするか」
昼食を終えた俺は午後の予定を考える。
孤児院を探してみるかそれとも野盗の様子を見に行くかで迷ったが、野盗が悪さをしている場合に被害者が出てしまうことを考えて、前回に野盗と思われる
「離しなさい! 私を誰だと思っているのです。男爵家の娘と知っての狼藉ですか!」
俺が前回に野盗が隠れていた場所に近づくと声が聞こえる。
「ビンゴ!」
俺はこっそりと近づいて様子を見ると、馬車の近くに御者と思われる男と護衛と思われる男が倒れていて、執事のようなお爺さんは生きてはいるが膝をついていた。
そして貴族のご令嬢と思われる若い女性が、野盗三人に囲まれて手を掴まれていてそれに対抗している様子が目に映る。
俺は即座に
「な、なんだ?」
「く、何が起きている?」
「クソ、足が!」
俺は三人が戸惑っている間に上昇した身体能力を使って近寄ると、三人を昏倒させる。
そして何かに使えるかと思って買っておいたロープで三人を縛ると、女性に話しかける。
「大丈夫か?」
「貴方! 助けに来るのが遅いのです! 貴方が来るのが遅れたせいで二人も亡くなってしまいました。お父様に言いつけて処罰をしてもらいますからね!」
「は? 一体何をいっているんだ? 俺が来なければお前は凌辱されるか売られるか、もしくは殺されていたんだぞ?」
「貴方こそ何を言っているのですか! 私は男爵家の娘です。手を出せばお父さまが報復をするのにそんなことになるわけがないでしょう」
いやいや、こいつは何を言っているんだ?
すでに自分の味方が二人も殺された状態で、なぜこんなに強気でいられる?
しかも俺が遅かったせい? 助けた俺に罰を与えるだって?
俺は考える。
この状況でこの女性を男爵家まで連れて帰ると、俺は処分を受けることになるという。
ここで亡くなっている二人は男爵家の味方であったが、俺は全く関係のない他人。
コイツの言い分であれば味方の二人が死んだのは俺のせいということになる。
男爵がその言い分を信じた場合、俺は殺されることになるのでは?
思い浮かんだ信じられない自分の未来を想像して……俺はここにいる全員をダンジョンコア内へ移動するように強く念じた。
すると、馬車を含めて死体と共に俺以外の全てがコアルームへと移動したのだった。
「これってもしかして、男爵令嬢を町へ連れて帰っていたら俺は本当に死ぬ危険性があったということか?」
前回このコアルームへ人を入れられた時は、俺は九死の状況だった。
そしてそれ以外の余裕がある時に、コアルームへ何かを吸収させようと思ってもそれができることはなかった。
俺の想像通りであれば、この男爵令嬢を助けて送り届けた結果……、俺は死ぬ可能性のある未来があったということになる。
「イベントが起きたと思ったらこんな事あるー?」
よく貴族のピンチを主人公が救って、その貴族やご令嬢と仲良くなる展開しかラノベで書かれることはないが、現実だと助けられたことによって貴族のメンツが潰れたり、単に報酬を支払うことがしたくなくて助けた側を後に殺したりするようなこともリアルであれば起こり得る可能性に俺は気がつく。
そのことに気が付き、精神的にどっと疲れた俺は座って少し休憩する。
そしてその後に、野盗のアジトへ向かい使えるものや金目の物を回収した。
それを終えるとゴブリンを倒したり薬草を集めて常時依頼を夕方までこなした俺は、ギルドで報酬を得た後に宿へ戻ると、食堂で夕食を食べて部屋へと入るのだった。
「コアルームの様子でも見てみるか」
俺はコアルームの中に入らなくてもダンジョンマスターであるせいかコアルーム内の様子が見られたり過去の様子も録画のような状態で確認できることが、調べている中で判明していたために令嬢と野盗の様子を見ることにした。
パン パン パンッ
……。
男爵令嬢が衣服を剥ぎ取られ、口に一物をくわえさせられてバックから突かれまくっている。
もう一人の野盗は既に何度も事を終えたのか、近くにやり切って満足した表情で座っている。
執事は既に殺されているようだ。
「いや、どうしてこうなった?」
俺は気になって、こいつ等をコアルームに入れた直後からの映像を確認する。
すると、ロープで縛られている野盗に向かってこの令嬢は罵倒を繰り返し、叩いたり蹴ったりをした挙句、ど真ん中に馬と馬車があるせいでそれが邪魔になっているから端へどけるようにと野盗のロープを彼女自らが外した。
そして当然のようにすぐさま令嬢は殴られると、それを止めようとした執事は殺されてその後からずっと凌辱され続けているようだった。
「……。馬鹿って怖いよな」
俺はそう呟いてコアルーム内へ転移をすると、魔法を放ち野盗三人を殺す。
「ヒッ、貴方――」
そして何かしゃべろうとした男爵令嬢の頭に俺はロックブレットを放つとスイカのように弾け飛び、頭を無くした令嬢はドサリと倒れるのだった。
「汚ねぇ花火だ。馬は何も悪くはないが……売れば足がつくかもしれない。恨むならこの令嬢を恨んでくれな」
俺はそう言うと馬も処理をした後に、ここに送った全てをダンジョンへ吸収させたのだった。
――ログ――
・ダンジョンコアルーム内で初めての馬を確認:100000pt
・ダンジョンコアルーム内で初めての馬車を確認:100000pt
・ダンジョンコアルーム内で初めての人族の交尾を確認:100000pt
・ダンジョンコアルーム内で初めての貴族に連なるものの吸収を確認:100000pt
・
・
・
・累積ポイントが初めて50万ptを確認。コアのレベルが2になりました。
・累積ポイントが初めて100万ptを確認。コアのレベルが3になりました。
・累積ポイントが初めて150万ptを確認。コアのレベルが4になりました。
体液を確認やら、馬の死体を確認やらやたら多くの初というログが並ぶ。
ダンジョンポイントの累積50万ptと100万pt、150万ptでどうやらコアのレベルもあがったようだ。
「あの令嬢は信じられない頭の悪さだったが結果的には感謝だな」
俺は貯まったダンジョンポイントが160万を超えていることを確認すると、クリーンを自分にかけ、さらに気持ちの問題でコアルーム全体にもクリーンをかけて綺麗にすると、部屋に戻りベッドに横になったのだった。
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