第966話 どったの? 下

 服を強制的に着替えさせられ、ラグラナの前に差し出されてしまった。


 カクカクシカジカと説明を受けたラグラナの顔が赤くなっていった。


 この顔を見るの、久しぶりね、老女の顔だったのによく顔を赤くさせれたものだ。どんな仕組みだったのかしら? わたし気になります。


「お嬢様! 聞いていますか!」


「はい、聞いております」


 いけないいけない。小言はちゃんと聞かないとさらに長くなるわ。なぜかこの小言から逃れられないのよね……。


「ここは館ではないのです。もっと身なりに気をつけてください。あと、胸に仕込むのは禁止です。他の方々の迷惑です」

 

 わたしの胸部が膨らむことで、なぜ他の方々が迷惑になるのよ。あ、こいつパットしてんな~、って思ってくれて構わないのに。わたしは気にしないわ。


「……わかりました……」


 承諾しないと解放してくれなさそうだし、ここは諦めるとしましょうか。ブラジャー、たくさん作ったのに。


「仕方がないから髪飾りにするわ」


 これからはお団子ヘアーにするとしましょうか。


「そうしてください」


 それでやっと解放してもらえた。


 部屋に戻り、ドレッサーを出して魔力宝珠とガラスの珠を髪から外した。


「ついでだから髪を洗いますか。ラン、手伝って」


 小言は終わったけど、監視が厳しくなってしまった。常にランが横にいるわ。ハァー。


「畏まりました」


 小さなお湯玉を作り出し、髪を浸けてランに洗ってもらった。あーすっきり。


 髪を乾かしたらお団子ヘアーを作って魔力宝珠とガラスの珠をお団子に仕込んだ。


「月に代わってお仕置きされそうな髪型ね」


 てか、やけにツインテールが似合うな、わたし。もう十七歳よ。いや、もう少しで十八歳になる。ツインテールって歳でもないっしょ。


「とてもお似合いですよ」


「いえ、これはいろいろアウトだわ」


「あうと?」


「ダメってことよ」


 月に代わってお仕置きヘアーは止めておきましょう。やはりチャイナ風お団子かしら? カバーもできるし隠すこともできる。しばらくやってみて感覚を見てみますか。


「しばらくこの髪型にするわ」


「はい。それがよろしいかと。ブラジャーは捨てておきますね」


「別に捨てる必要はないでしょう。同じ胸くらいの人にあげてちょうだい」


 まあ、同じくらいの人がいたらだけど。


「服も誰かにか下賜して。それか孤児院にでも贈ってあげて」


 わたしの服はそこまで貴族貴族していない。良家の子女が着る服と言ってもいいくらいのものだ。一張羅にするにはちょうどいいんじゃないかしらね?


「畏まりました」


 ハァー。また胸部装甲が平らになっちゃったわ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る