第12話 彼女に修行と誘われて

武者小路実篤も真っ青な……

「香水少女の未来は明るいね。音楽番組出演依頼殺到中だし

新曲は三人態勢で量産されて行くし」

「三人って?」「莫迦あ!」「へ?」「決まっとろうが」

「日々輝海堂プロデューサー、土橋琴子さん、水塚青咲さん」

「ふうん、そんな確約があったんじゃ。知らなんだよ」

「まあ、確定じゃないけどね。

ウチらが属するアクターズスクール・ブランドは

音楽界を牽引する強固なパワーがあるけん

引く手あまたとは、このこといね」

「さっきの音楽家さんたちって、

きっとPROMISE SPEEDにも息が掛かってるんだよね?」

「白愛/White Loveの二曲は

確か日々輝海堂プロデュースじゃなかったっけ?」

「プロデューサーが被る場合って、楽曲の貸し借りとか

ありなんだよね?」

「まあ、現にRECYCLE WORLDは

Remixされてアイドルグループの方に向かいましたけど」

「差し当たって、これからの音楽活動は

白愛を習得することから始めよっか。あれは稀代の名曲だと思う」

「みなしで動くのは危険だけど、保険掛けて行く方法も

悪くないかもね」


そんな時、沖縄アクターズスクールの上嶋芦子から香賀美幸に緊急連絡が。

「香賀さん、私と一緒に武者修行に出て欲しいの」

真剣なトーンに押されて考え込む美幸。充分に間を取って

「武者修行の内容にもよるけど、私で良ければ……」

交渉成立! 流石はマッチングアプリもどきをしていた仲か。

「じゃあ正月になる前に、会合を開いておきたいけど」

「沖縄に行くか、広島に来て貰うか、と言う選択?」

「さいわいなことに資金は潤沢にあるから私が広島に」

「あ、それならお願いしたいことが……」

「で、出来る範囲なら……」

「維新電神にお礼を言いに行きましょう」

「うん、名案ね。その流れでFESのお願いしちゃう?」

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