第39話 開戦

ちなみにハルロが言っていたように、悪魔と精霊の加護を一つずつ受けることができるのかやってみたができなかった。


どうやら人間の容量を超えてしまうらしい。


まあそんなこと出来たらチートだよな。




「とにかくこの街から離れようか。」


いつハルロが襲ってくるか分からない。


牢獄からの脱走に悪魔の抹殺、これをやられたハルロはさぞ怒っていることだろう。


「でも次はどこに行くんですか?」


「それはまだ決めてない!」


適当に遠い所に行こうかな。


「それならスフィアの街に行くのが良いと思うんだけど。私達のレベルアップにもなるし!」


「じゃあそこに向かおう。アイノもそこでいいか?」


「はい!私は土地勘とか全然ないですし、アルヤさんが決めたところならどこにでも行きます!」


なんか同じような台詞前も聞いたような、、、


あ、もしかしてミズキと同じメンヘラか?


でもミズキと違って目から光が消えることはないから大丈夫か!


「よし、早速出発しよう。」




「なんだ、これ。」


宿から出ると街は異様な光景が広がっていた。


あれだけ賑わっていた街に人が一人も居なくなっていたのだ。


「どういうこと?そんなことあるの、、。」


ミズキとレイもこの光景に驚いている。


「あるわけないだろう」


声がする方を見るとそこには護衛を数人連れたハルロが立っていた。


「遅かったか」


「遅かった?それはこっちの台詞だよアルヤくん。君たちが宿から出てくるのをずっと待っていたんだ。僕の街に傷つけたくないからね。」




「さあ最後に一度だけ聞いてあげよう。僕の仲間にならないかい?悪魔を殺すほどの力を持っている君たちを僕は歓迎するよ。」


感情を押し殺したような笑みを浮かべ、ハルロは俺たちに訊いてくる。


「断る!」


「そうか残念だ。今度は牢獄じゃなく地獄に連れて行ってあげるよ!」


そうして俺たちとハルロの戦いは始まった。




「君たちは僕の街を穢したんだ!許されることじゃない!」


「悪魔を飼い慣らし、犯罪者を問答無用で殺す。そんな街があっていいわけないだろう!」


ハルロの猛攻を俺は剣でなんとか捌く。


「犯罪者など僕の世界に必要ない。だから有効活用しただけさ。僕がこの世界を支配するためにね」


「そんなことのために、、」


「そんなことだと!?僕が支配すれば争いのない平和な世界がくるんだ。そうすればみんな救われるだろう。」


「支配で平和になるわけないだろ!お前は一体それまでに何人の人を犠牲にするつもりだ。それが本当に平和なのか!」


「平和に犠牲は必要なことだ。」


俺たちは剣を交えて、決して交わることのない言い合いをする。


それは長い長い時間のようにも感じた。


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