第18話 品子先生の楽しい人生相談

お久しぶりです。

こちらはTwitterでの企画「ワンライで一作」で書いたものです。

推敲で一時間ちょっと超えましたが、書き終えたのは一時間以内ということでご容赦を。

なおこちらは第一章までのネタバレを軽く含んでおります。

ネタばれはちょっと、という方は第一章を読み終えてからこちらに来ていただけたらと思います。

では、楽しんでいただけますように~!


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 皆様、こんにちは。

 人出ひとで品子しなこです。

 今日は大学の先生である私が悩める人たちの相談に乗り、解決していこうという企画。

 なんかワンライという企画も兼ねているということで乗せられた感はありますが、まぁいいでしょう。

 先生とは導くもの、喜んでこの企画をやり遂げてみせましょうとも。


 さて、プライバシー保護のためにこれから読み上げる相談のメールは匿名にて行っていくことになります。

 私も今から読む相談が誰からということは教えてもらっておりません。

 フラットな気持ちで、相談者と向き合っていけたら。

 そう思っております。


 えー、では最初の相談ですね。

 どれどれ。


『こんにちは! 私はちょっと前まで一人暮らしをしていた女子大生です! 事情があって今は二人だけで住んでいるご兄妹のおうちに居候しています!』


 ……ってこれ、プライバシー見え見えですよね?

 まぁ、大人の私がここは見なかったことにして続けていきましょうか。


『何か相談をと頼まれたのですが、今の生活がとても充実しており特に不満はないのです。仲のいい二人の兄妹。頼れるお兄さんみたいな男性。逆に年上と感じさせないけれど、笑顔を届けてくれるふんわりとしたお兄さん。そしておっちょこちょいのお姉さんみたいな先……』

 

 ちょっと待てや! なんだよこれ!

 みんないい感じに紹介されている中、なんで私だけおっちょこちょいって表現されてんのさ!

 しかも惟之これゆきなんて逆に頼れるお兄さ……!


 ……げふんげふん、大変失礼いたしました。

 いやいや、女子大生さん。

 幸せそうで何より。

 出来る事ならば彼女がずっと穏やかな気持ちで、今までの苦労が吹き飛ぶくらいの幸せに満ちた生活をと願ってやみません。

 えー、この女子大生さんがどこのどなたかは分かりませんけどね。

 うん、私はなんとなくそう願います。


 切り替えていきましょう、次の相談です。


『自分たち兄妹は早くに親を亡くしました。それもあり、年上の従姉が何かと気にかけてくれています。それ自体は良いとは思うのですが、やたら妹に対し執着に近い感情をどうも従姉からは感じます。二人の距離を離したい場合、どうしたらいいのでしょうか』


 はい、謎の兄妹のお兄さん!

 それはきっと勘違いではないでしょうか?

 だってね、可愛い子がいたら旅させる前に大切にしたいって思うでしょう?

 ただちょっと頬ずりしたいなぁとか、一緒にお風呂入りたいなぁとかね。

 これは誰しもが抱く感情だと先生は思っちゃうんですよ!


 ヒイラ……、おっとお兄さんもですね。

 感情をこじらせていないで素直に「お前のことが好きなんだよ!」って思っているような子がいたら告ってみたらどうでしょうかね?

 案外そうやって言おうとしている相手って、モテているもんですよ。

 あなたがぐっすり寝ている間に、他の男とパンケーキデートとかタルトデートとかしているのかもしれません。

 とりあえず危機感だけはあおっておきますね。

 え? 相談者を不安にさせてはいけないですって?

 違いますよ~、これはそう! 鼓舞こぶです鼓舞!

 とんびに油揚げをさらわれないようにしろよ、という私からのメッセージですから!

 

 ……うわ、なんかめっちゃにらまれてる。

 怒られる前に次へいこっと。


『こんにちは! 私はとある大きな企業で事務をしている女性です。ここはとても大きな組織でたくさんの人が働いています。組織内の人達は皆優秀で、彼らの活躍を見て応援する日々です』


 なんかこの人、最初は企業とか言っていたのに、途中で組織とか言っちゃっていますね。

 この女性、大丈夫でしょうか?

 そこの制服が黒ずくめとかではないといいなと思いますね。


『あ、大丈夫です! 黒ずくめの格好とか、本名でない呼び方とかする感じの所ではないです。私は基本スカート出勤でーす』


 なんですかこの人、エスパーですか?

 人のコメントを先取りしてきましたよ……。


『うちは大まかに四つの所属先になっているからそこも違いますね! 私は二条事……』


 わわ、ちょっ! これ読んじゃいかんやつでしょ!

 相談の所だけ読みますねっ!


『というわけで組織の男性陣が凛々しい人や穏やかな人、時に肉食系を隠さない感じの人など素敵な人ばかりで、彼らの交流を勝手に想像する妄想の翼が広がって仕方ありません。最近になってやっとそれを語り合える同士を見つけたのですが、何せその方も忙しい人なので語り合う相手が足りません。どうしたらいいのでしょうか?』


 えー、これっていわゆるBのLってやつなのかなぁ?

 でも翼を広げるだけなら自由でいいと思うなぁ~。

 その人たちにばれたり、相手に迷惑がかからないのならいいと思うよ。

 想像の自由は誰にでもあるんだもの。

 モラルさえ守れば、私は良いと思う。


 っていうかその翼をみせてもらいたいね~。

 想像の相手って誰だろう?

 彼女の所属先だとあのサングラスあたりかぁ~?

 ははは! まさかそんなことないねぇ!

 彼女の言った『凛々しい、穏やか、肉食系』とかにあいつはどれひとつ当てはまらないもんね~! 


 あ、そろそろ一時間が経過しそうですね。

 これを読み直して問題なければ、こちらの相談室も終わりのようです。

 なにかお悩みがあるようでしたら、ぜひこちらの相談室へとご連絡を。

 ではこれにて終了いたします。

 お相手は人出品子でした~、ばいば~い!

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