第57話 辿り着いたのは……

「イテッ!」

ロニーは思わず悲鳴を上げる。

「いたた……」

レイチェルは強打した腰をさする。


「良かった、二人とも!」

「え?」

「シーナさん……、それに楓香、由佳!」

楓香と由佳も安堵していたような笑顔だ。


「良かった。お帰りなさい、ロニー」

「お帰りなさい、レイチェル」

「うん、ただいま!」

「ただいま、待っていてくれてありがとうね」

シーナは苦笑いする。


楓香と由佳は、時折現実世界に帰っては交互に荷物を持ち込む生活をしていた。

もちろん、現実世界に帰っては家で一日二日休んで帰ってきていたが。


「今回、二人はどんな世界に行ったの?」

「もしかしたら、似たような世界?」

楓香も由佳も興味津々で二人に詰め寄る。


「こらこら、疲れているだろうから、明日になさいな。今日はみんな、研究室に泊まって行ってちょうだい」

「そうさせてもらうよ。さすがに今回は疲れたぁ……!」

ロニーは両腕を上げて伸びをする。

「そうね、私もさすがに疲れてしまったわ」

レイチェルも苦笑いしながら小さくあくびをした。


「じゃあ、さっき作ったばっかりだから……」

「私たちが作ったおにぎり、食べて寝たらどうかな?」

「それは良いね。いただきます」

ロニーは出されるや否や喜んでおにぎりを頬張った。

レイチェルとシーナも少し遅れておにぎりを取る。

「いただきます」

レイチェルもシーナもおにぎりを口に運ぶ。

「うーん、これ梅だ!」

ロニーは笑って言う。

「あ、私のは昆布! 美味しいわ」

「私のは鮭ね。美味しい!」

三人は笑顔で頬張るから、楓香と由佳は顔を見合わせて満足そうに笑顔を見せた。

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