第27話 死姉妹舞

時は現在、イギリスはコッツウォルズ。


世界一美しい村と謳われるこの村に、決して明かされてはならない秘密があった。


もし秘密を解き明かそうとするならば――























その者は謎の死を遂げることになるだろう。























記者「秘密を知ろうとすれば殺されるのですか?」


???「さぁ……」


???「時に私からも質問しますが」


記者「?」


???「オカルト雑誌○○の記者である貴方ならば――」























???「物部天獄という人物をご存知ですかな?」


記者「物部天獄ですか?はい存じていますが……」


???「彼は人を惹き付ける才能を有し、その才能を持って天魁教という邪教を組織した」


???「彼の目的は世界の破滅……その一旦として日本を滅ぼす為にある者を作り上げた」


記者「……リョウメンスクナですか?」


???「えぇ、古代中国から伝わる禁じられた呪法、蠱毒を人間に対して行ったことでリョウメンスクナという奇形のミイラを完成させてしまった」


記者「その話はオカルトマニアなら誰もが知っている話ですね」


???「ではそのリョウメンスクナに――」























???「モデルが存在していた……と言ったら?」


記者「――ッ!!?」


記者「モデルですか!!?」


???「えぇ」























時は1900年……この村に闇の市場があった。


この市場は選ばれた者にしか入れない市場で、武器や毒に薬、果ては人間等を商品として扱っていた。


その中でも一際目立つ商品が1つ。


何も食べず……何も飲まず……反抗する心をへし折られ……お互いの首に鎖をかけられた姉妹がいた。


彼女達に許されている行為はただ1つ――























死ぬまで踊ること。


その姉妹の踊りを見た者はたちまち絶叫、気を失いやがては死に至ると言われ、その姉妹を呪いの道具として作り上げた者が、気に入らない者を市場の奥へと誘いだし、呪っていたという……


しかし、彼に誘われつつも生き残った者が1人いた。


それが――


記者「物部天獄」


???「そうです」


???「彼は世界のあらゆる呪いを調べる為に、その姉妹を作り上げた者と接触していたのです」


記者「つまり、リョウメンスクナのモデルとはその姉妹」


???「えぇ……別名を死姉妹舞と呼ばれる呪物なのです」


???「この世で怖いのは、幽霊でも兵器でもなく、いつだって人間なんですよ」


記者「あの……この話を記事にしても宜しいでしょうか?」


???「それはやめた方が良いでしょう、誰かが死ぬことになりますよ?」


記者「そうですか……では最後に1つだけ効きたいことがあります」


???「何でしょう?」


記者「貴方は何者なのですか?貴方が名前は?」


???「……ここまでたどり着いたのですから、特別に私の名字をお教えしましょうか」


???「私は――」























物部「物部です」

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