第60話 観光ビル

僕の地元には、数十年前に廃墟となった観光ビルが、今尚存在する。


観光ビルといえど、地元なので3階建てと小さい。


取り壊しの計画が実行され、半分程破壊したが、突如として請け負っていた業者が夜逃げ、その後も何社もの業者が請け負ったが、破壊する直前に皆逃げている。


僕は気になったら眠れないタイプで、早速昨日行動した。





















はっきり言って、行かなきゃ良かったと思っている。





















「僕」「ここが噂の観光ビルか…」


時刻は丑三つ時…中途半端に破壊されている為、余計にそれが恐ろしい廃墟。


「僕」「…!」


ガラガラガラ――ッ!


「僕」「重ッ!」


「僕」「フゥ…!」


「僕」「まぁ…荒れてるよね」


中は資料やら瓦礫等で散らかっていた。


コトッ…


「僕」「うん?」


コトッ…


「僕」「…上から聞こえる」
























1階は特に何事もなく2階級に上がった。





















「僕」「3階へは行けそうにないな」


「僕」「穴が空いてる」


「僕」「…2階は瓦礫だらけだな」


ゴトッ


「僕」「あの部屋からだ」


キギィィィィィィ――ッ!


「僕」「…へっ?」



























「男」「…」


「男」「フンッフンッフンッ!」


「男」「ゥゥゥウガアアアアアアア!!!」


「僕」「ワァァァァァァァァ!!!」


幽霊ではない…

























生きてる男がいたんだ…それに一瞬だけだが、あの部屋で生活している跡もあった。


けど何より――


「男」「ウガアアアアアアア!!!」


「僕」「ワァァァァァァァァ!!!」























真新しい包丁が月光に照らされて、男の手に握られていたんだ。


「僕」「――イッタッ!」


入り口付近の瓦礫につまずき、盛大にこけてしまった。


「男」「ウラァァァァァァ!!!」


「僕」「ウワァァァァァァァ!!!」





















「僕」「ハァ…ハァ…!」


「男」「――」


「僕」「殺っちゃった…」


刺されそうになった時、近くの瓦礫を男の顔面逃げている投げたら、ピクリとも動かなくなった。


「僕」「――ヒィッ!」


その男が生きてるかどうかは分からないけど、もう2度と彼処には立ち寄らない。

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