人間だと思ってたら

「私も、あの人を刺そうとした時、たぶん、人間だと思ってなかった。結局、悪魔かなんかだと思ってたんだよ。だから躊躇いなく刺せた。人間だと思ってたら刺せなかったよ。さすがに」


自分の実の母親の葬儀の場で自分の実の父親を包丁で刺してしまった事件について、玲那れいなはそう語ったんだ。


自分達がそうやって<人間として認めてない認められない相手>がいるからこそそれが何をもたらすのかを考えることができてるんだと思う。ただの<綺麗事>じゃないんだ。具体的な弊害が実感できてしまうからこそ『それじゃよくない』って思えるんだよ。


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