言われてみたら

玲緒奈れおなが生後二ヶ月だった頃、窓から差し込む光が顔に当たると、


「んーふ、んーふ」


って、<声とも言えない声>を上げながら自分の頬に手をやる仕草を見せた。それに気付いた絵里奈えりなが、


「顔に何か付いた気がするのかもしれませんね」


と口にして、玲那れいなも、


「言われてみたら、顔にお日様が当たってると分かるもんね。私達はそれがお日様だって知ってるからあんまり気にしないけど、知らなきゃ顔になんか付いた気がするのかも」


と。それに沙奈子さなこが、


「そっか……!」


感心したみたいに声を上げたんだ。


それで玲緒奈があんまりにも気にしてる様子だったから顔に光が当たらないようにしてあげると落ち着いて。


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