達の手記

穿った見方をしてた

僕は＜言葉＞を信じてない。

『気持ちはちゃんと言葉として表さないと伝わらない』

と思いつつ、同時に、

『言葉だけじゃ伝わらない』

のも事実だと思うんだ。だから言葉と行動の両方を適切に形にしないと駄目なんじゃないかな。しかもそこまでしても確実に伝わるとは限らないのも事実なんだろうな。それは自分自身を省みるだけで分かることのはずなんだ。だって自分が他人の気持ちを常に確実に理解できてるわけじゃないから。

絵里奈（えりな）と玲那（れいな）の気持ちも、最初からちゃんと分かってたわけじゃないし。何しろ彼女達が僕にアプローチしてきてたのを穿った見方をしてたからね。