消えない傷

千早ちはやちゃんや結人ゆうとくんは、確かに大変な過ちを犯したと思う。もしかすると沙奈子さなこの心や体に一生消えない傷を残すことになったかもしれない。


事実、沙奈子の体には<消えない傷>が残ってる。僕と引き離されそうになった時に自身の左手にボールペンを何度も突き刺した時の傷は、その時に治療にあたってくれた医師の処置が適切だったらしくてもうほとんど分からないくらいになってるけど、普段は髪に隠れている襟首や、基本的には人前で晒すことのない体の部分には、歪な丸い<痣>がある。


彼女の父親や、父親と付き合っていた女性達から煙草の火を押し付けられてできた傷だ。


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